国の歳入を増やすためには税制改正が不可欠

法人税率
景気が回復したとしても、今後増える社会保障費を補うのに十分な税収が確保できる可能性は、ほとんどありません。

そこで、国の歳入を増やし、歳出を削減するための新たな方策が必要となります。

歳入を増やすためには、税収改正が不可欠です。

具体的には、消費税増税と法人税減税を合わせて実施することが必要だと考えています。





法人税率

法人税については産業の6重苦の1つとして以前の記事で説明しましたが、実際に日本の法人税が他国に比べてどれほど高いのか、下の図表に主要国と日本の法人税率をまとめていますので、ご覧ください。

法人税率

ここに挙げたヨーロッパおよびアジアの主要国の法人税率は、大体20%台で平均すると25%程度になるかと思います。

対して、日本は35.6%で、世界で最も法人税の高い国の1つに数えられています。

税収を上げるという観点からは、法人税も上げたほうがいいのではないかと考えがちですが、実はそれは間違いです。

すでに高い法人税をさらに上げてしまったら、グローバルスタンダードなビジネス環境から、ますます逸脱してしまい、経済成長の源泉となる企業を呼び込むことが困難になってしまうので、結果的に税収は、より少なくなってしまう可能性が高いのです。

実は、2000年代のEUでは、法人税を下げたことで法人税収が逆に増える「法人税パラドックス」という現象が起きました。

EUでは1990年代以降の経済のグローバル化に対応し、国内の優良企業を自国内にとどめ、かつ海外からも優良な企業に進出してもらうことを目的に法人税の引き下げを行いました。

その結果、ヨーロッパ域外からも企業の進出が進み、国内に雇用が生み出され、税収が伸びたのです。

法人税減税については、先の衆議院選挙の際も自民党の公約として、国際水準までの引き下げが明示されていたのですが、アベノミクスの成長戦略第1弾には盛り込まれませんでした。

一時期は、国家戦略特区の中で、海外企業の誘致のため、法人税率を20%台前半にするという話も出てはいましたが、結局、この件も結論は先送りされてしまいました。

その代替ということで、投資減税の拡充措置が議論され始めましたが、残念ながらそれでは不十分だといわざるを得ません。

国内企業が設備投資を増やすことも、それはそれで重要なのですが、それ以上に海外からの直接投資を増やすこと、つまり海外から企業に進出してきてもらうことが、より重要で、そのためには法人税の引き下げは不可避なので、何としても国際水準までの引き下げは実現してもらいたいと考えています。

次に消費税ですが、これに関しては既に昨年、民主党、自民党、公明党の三党合意で、来年2014年と2015年の引き上げが決まり、法律もできています。

依然、消費税の引き上げに関しては反対の声が多いのですが、私は消費税の引き上げはしかたないと考えています。

先程、法人税率を国際水準まで下げるべきだという話をしましたが、仮に法人税率が国際水準まで低くなったとしたら、消費税も国際標準に合わせないとバランスがおかしくなってしまうのが理由の1つです。

消費税

現在の日本の歳出構造を考えた場合、消費税を上げることが、財政健全化のためには最も理にかなっている方法だと考えています。

日本の歳出の最も大きな割合を占めているのが社会保障費ですが、現役世代の負担が重くなりすぎ、これ以上の負荷がかけられない段階まで来ています。

このような現実を踏まえ、何とか現役世代にこれ以上負担を集中させずに財源を捻出する方法が、今求められているのです。

社会保障費の不足分を所得税の増税で賄おうとすると、またしても現役世代にのみ負担がかかってしまうので、それはできません。

一方、消費税の場合、現役世代だけでなく、社会保障を受ける立場である高齢者も負担をすることになるので、受益者負担という意味でも公平だと考えています。


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