財政危機の怖さは一度起こると歯止めが効かないところ

財政危機
一度デフォルトの心配が高まると、2つのスパイラルで財政はどんどん悪化します。

まず、国の財政赤字が深刻化し、約束どおりに国債が償還できない債務不履行(デフォルト)の心配が高まると、その国の国債を保有している投資家が早めに手放そうとするので、国債の価格が下落します。




一度国債の価格が下落し始めると、損失を避けるために投資家の間で売却の動きが加速し、どんどん価格が下落します。

すると、投資家は益々早く国債を手放そうとし、益々国債価格が下がるという循環が起きます。

これが、第1のスパイラルです。

このように国債の価格が下落すると、国債を大量に保有している金融機関の損失が膨らみ、大きな打撃を受けることになります。

金融機関というのは、その国の経済の根幹です。

日本で1997年に金融機関が次々と破綻したときのように、金融機関の経営が打撃を受けると、深刻な不況に陥ります。

不況になりますと、当然ですが税収が大きく減ります。

さらに、大不況の国にわざわざ投資をしようとする人はいませんので、その国に投資をしていた海外の投資家が一斉に資金を引き揚げ、為替が大きく下落することになります。

為替が下落すると、国債を発行して資金を調達しようとしても、以前よりお金が集めにくくなってしまいます。

どういうことかというと、たとえば額面100万円の国債を保有していて、償還期限を迎えたとき、為替が1ドル=100円だとしたら、1万ドルを受け取ることができます。

しかし、円が下落して1ドル=200円になってしまったら、額面100万円の国債が償還されても5000ドルしか手に入れることができなくなってしまうのです。

こんな国債は、だれも買おうとは思わないでしょう。

日本はたまたま発行している国債の9割以上を国内で消化しているので、資金繰りに関して為替の影響は大きくありませんが、日本のような国は世界でも非常にまれです。

一般的には国債を海外の投資家に買ってもらい、そのお金で経済を回している国がほとんどなので、為替が大きく下落すると国債を発行して資金調達することが難しくなるのです。

税収減に加え、国債の発行が難しくなると、益々財政赤字は深刻化します。

結果、さらに投資家が国債を手放すようになり、さらに国債の価格が下がり・・・と、悪影響が連鎖していきます。

これが、第2のスパイラルです。

このように、一度デフォルトの心配が高まってしまうと、その影響は2つのスパイラルを通じてどんどんと加速していくのです。

さて、このスパイラルを止めることができず、財政破綻してしまうと、国際的な信用が失墜し、海外の投資資金が一斉に引き揚げられ、為替相場や株価が暴落するなど、国内の金融市場で大混乱が起きます。

これが、一国の中だけでとどまってくれればまだいいのですが、今や世界の金融市場は繋がっています。

そのため、どこかの国でデフォルトが起こると、その国の国内のみならず、国際金融市場の混乱を招き、世界経済にも悪影響を及ぼす結果となるのです。


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