財政破綻後に想定される国民生活への影響

失業
財政破綻した国に暮らす人たちが受ける影響について説明します。

まず、国債の価格が下がって金融機関の経営が悪化すると、金融機関が融資に対して過度に慎重になり、世の中に回るお金が滞ることになります。




この状態をクレジットクランチ(信用収縮)と呼びます。

クレジットクランチが起きると、金融機能が麻痺してしまい、いわゆる貸し渋りや金利の高騰が起きます。

すると、もちろん企業の設備投資は激減しますし、個人でも住宅や車などローンを組んで購入するものは、銀行がお金を貸してくれないので、購入できないということになります。

購入できないだけならまだしも、変動金利で住宅ローンを借りている人は、金利の高騰の影響を直接的に受けることになります。

住宅ローン金利を払えなければ、通常ですと住宅を手放すことになりますが、このような状況で買い手を見つけるのは非常に難しいので、最悪の場合は自己破産に陥ることも考えられます。

このようにして世の中が不況になっていきます。

不況になると採用が減少しますし、職がある人も残業カット、ボーナス削減などで給料が減ります。

さらに倒産する企業も現れるため、職を失う人が巷にあふれることになります。

影響は、これだけにとどまりません。

通貨の下落が進行するため、食料品やエネルギーなどの輸入物価が上がります。

ただでさえ給料が減っていたり失業したりしているところに、追い打ちのように生活必需品の価格が上がりますので、家計は非常に苦しい状況に陥ることになるのです。

そこで、通貨の下落を防ぐための処置が余儀なくされます。

為替というものは基本的には通貨の供給を増やすと下がり、減らすと上がるので、日銀が通貨供給を減らす、すなわち金融引き締めを行わなくてはなりません。

しかし、金融を引き締めると、政府や民間部門にお金が回らなくなり、資金繰りが逼迫し、景気がさらに悪くなってしまうのです。

金融の引き締めだけではなく、根本原因の財政赤字もどうにかしなければならないので、政府も極端な緊縮財政をやらざるをえなくなります。

これまで当たり前だった医療・福祉・教育・公衆衛生などの公共サービスの質は、おそらく想像もできないほどに悪化すると考えられます。

さらに、財政の引き締めは景気悪化に拍車をかけますので、株価や土地などが下がって個人の資産が目減りします。

国民は苦しくなる一方なのです。

こうして加速度的に事態が深刻化し、金融機関の経営に対する不信感が広まると、預金の取り付け騒ぎなどが起き、それに対して預金封鎖といった処置が取られるようになります。

銀行に貯金がある人も、十分に引き出しができなくなり、生活が逼迫するのです。

ここまでが、想定される最悪のケースなのですが、財政危機が起きても、必ずしも事態がここまで深刻になるとは限りません。

事実、①緊縮財政、②マネタイゼーション、③IMF支援を実施することで、事態がここまで深刻になるのを防いだ事例はたくさんあります。


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