アベノミクス
国際通貨基金(IMF)は8月1日、世界経済のリスクに関する年次評価報告書を発表し「日本が財政刺激策を講じても、改革を実施しないために成長が加速せずアベノミクスが機能しなければ、深刻な事態になるだろう」と警告しました。


5年前の金融危機を受けて、世界経済に対するリスク監視を強化するために毎年作成されているのが、世界経済リスク報告で、今回が3回目になります。

世界の金融体制上重要と思われる国々のリスクが世界経済にどのような影響を及ぼすのかさまざまなシナリオを想定して分析しています。

この中で日本の国債利回りが2%ポイント上昇するケースを取り上げ、その場合政府は支出を削減し、大幅増税を余儀なくされ、日本は深刻な不況に襲われるとし、世界経済の成長率は2%押し下げられると予想しました。

年次評価報告書は、世界経済の回復の第2のリスクとして「中国政府は輸出の減退を国内消費の拡大で補おうとしているが、成功するかどうか不透明」と、中国経済が予想より大きく減速する可能性を指摘しています。

IMFは「中国が成長の源泉を、輸出や投資から国内消費に移行させることに失敗すれば、急激で長期にわたる景気鈍化に見舞われる公算が大きい」と述べ、世界の成長率は1.5%圧縮されようとの見通しを示しました。

IMFは世界経済の回復の第3のリスクとして、米連邦準備制度理事会(FRB)が債券購入プログラムの縮小時期を早すぎたり遅すぎたりすることを指摘しています。

早すぎれば、成長は抑えられ、遅すぎればインフレ期待を制御できなくなり、金利は上昇し、世界経済は打撃を受けるだろうと分析しました。

今年の報告書ではユーロ解体の可能性について触れていませんが、ユーロ圏の成長がなければ、世界の成長は1%押し下げられる予想しました。

世界経済の長期的なリスクとしては、米国が債務削減に取り組まないケースを挙げました。

目先は緊縮財政を緩和させるとしても、中期的には金利を低水準に押されるために信頼できる財政健全化計画が必要だと強調しました。