米国がマウスにストレスをかける実験で、ストレスとうつ、及び脳との関係を解明中

うつ
米国のコールド・スプリング・ハーバー研究所では、マウスにストレスをかける実験を行い、ストレスとうつ、及び脳との関係を調べました。




その結果、ストレスでうつ状態に陥ったマウスと、ならなかったマウスでは、脳内の神経細胞の活動に違いがあることがわかりました。

また、ある神経細胞を人為的に活性化させると、うつになりにくいマウスが、うつ状態になることもわかりました。

研究者たちはまず、マウスを2つのグループに分けました。

ストレスがかかったときにうつになるマウスと、ならないマウスです。

人間と同じく、うつになりやすいマウスとなりにくいマウスがいるのです。

研究者たちは、マウスに電気ショックを繰り返し与え、ストレスへの反応を観察しました。

うつになりにくいマウスは、電気ショックから逃げ回り続けたのに対し、うつになりやすいマウスは、やがてあきらめ、ショックを与えても動こうとしなくなりました。

マウスを2つのグループに分けたあと、研究者たちはmPFC(内側前頭前皮質)と呼ばれる脳の部位を調べました。

うつ状態の人は、この部位が過活性になっていることがわかっています。

ストレスにさらされたマウスでも、mPFCの一部の神経細胞が活性化することがわかりました。

研究者たちは、この神経細胞が、ストレスを受けたマウスの行動に違いを生む要因ではないかと考えました。

この仮説を確かめるため、研究者たちはマウスのmPFCに電気刺激を与え、どの程度刺激を与えると神経細胞が活性化するかを調べました。

うつになりやすいマウスに電気刺激を与えたところ、神経細胞はすぐに活性化しました。

これは、この神経細胞が近隣の神経細胞と強いつながりを持っていることを示しています。

一方、うつになりにくいマウスは、電気刺激を与えても、神経細胞がなかなか活性化しませんでした。

これは、この神経細胞と近隣の神経細胞とのつながりが弱いことを意味します。

実験の次の段階では、mPFCの神経細胞を意図的に活性化させたときに、うつになりにくいマウスがうつ状態になるかを調べることにしました。

研究者たちは、Cre酵素の注射によりmPFCが活性化するマウスを集めました。

サンプルは、うつになりやすいマウス、なりにくいマウスの両方から構成されます。

集めたマウスにCre酵素を注射したところ、うつになりにくいはずのマウスが、うつ状態に転じました。

これは驚くべき結果です。

上述の通り、うつになりにくいマウスは電気ショックを繰り返し与えても、うつ状態になりませんでした。

ところが、mPFCを人為的に活性化させると、うつ状態になりました。

つまりこの実験で、うつになりにくいマウスをうつ状態にするmPFCの神経細胞グループが特定されたことになります。

しかし、事はそれほど単純ではありません。

マウスを使った別の研究では、反対の結果が示されました。

mPFCの「不活性」がうつと相関していたのです。

なぜこのような結果に? 

研究者たちは、mPFCの異なる神経細胞集団を対象にしたためだろうと考えています。

つまり、mPFCの神経細胞のある集団はうつ状態のときに過活性となり、別の集団は不活性になるということです。

この研究によって、mPFCとうつの関係がひとつ解明されましたが、課題はまだ残されています。

mPFC内の異なる神経細胞がどのように関連するかを明らかにすることです。

それがわかれば、mPFCの適切な場所に刺激を与えることで、うつ病を治せるかもしれません。

現在、米国の軍隊が、うつ病の治療法として脳深部刺激を研究しています。

こうした研究が、いずれはうつ病と脳の関係を解明するでしょう。


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