アメリカの貧困層は全人口の15%で最貧困層は全人口の6.6%

米国 貧困層
米国の統計局が発表した2012年の家計調査報告で、米国人の15パーセントが貧困層という結果が明らかになり、貧困層の数は1年前より約30万人増え、およそ4650万人となりました。




米国では、4人家族の所得が2万3492ドル以下の場合、「貧困」と認定されます。

食費、住居費、交通費、被服費、医療費などを考えた場合、4人家族が1ヶ月2000ドル以下で暮らすのは、ほぼ不可能です。

ですが、1989年と2012年の米国の中間層の所得を比較した場合、インフレ調整後の四半世紀前の所得は、約600ドル多かったといいます。

年収が公式貧困ラインの半分またはそれ以下の「最貧困層」は、全人口の6.6%にあたる2040万人となり、2000年の4.5%から悪化しました。

最貧困層はこの40年間で増え続け、1975年の3.7%から2倍近くになっています。

 
貧困層のうちの44%が最貧困層と考えられ、リセッション(景気後退)前の42%から上昇し、1975年の統計開始以降、最悪の水準に近づきました。

 
多くのエコノミストは、1960年代に開発された政府の貧困尺度には欠点があり、社会福祉などの手当が考慮されていないと指摘します。

失業保険の受け取り分は含まれていますが、給付付き勤労所得税額控除(EITC)やフードスタンプ(補助的栄養支援プログラム)は含まれません。

 
フードスタンプが所得として考慮される場合、400万人が貧困層から脱出できます。

連邦政府統計はまた、各州で異なる生活費なども考慮していません。

最貧困層の増加の理由として、1990年台の福祉改革以降進んだ、子どものいる、極めて所得の低い家族向けの現金給付削減や、景気の減速、2007年~2009年のリセッション(景気後退)以降続いている失業率の高止まりなどが考えられます。

最貧困層の人々が1つの職に対して多くの求職者が集まる雇用市場に入り込むのは非常に困難です。

米国が貧困層の割合を低下させるには力強い経済成長を持続させる必要があります。

 
米国経済は遅いペースながらも拡大し、多くの貧困者も職を得られていますが、得られた職は小売りなど給与も安く、十分な勤務時間も認められていないことが多いようです。

 
仕事が無いよりはましですが、貧困層から抜け出すことが難しいでしょう。

 
国勢調査局の別の統計によりますと、最貧困層の割合は2000年~2012年、米国の50州とワシントン特別区の全てで上昇しました。

 
最も上昇率が大きかったのはミシシッピやインディアナなど南部や中西部の州でした。

ジョージア州の最貧困層の割合は8.8%、アラバマ州でも8.5%と2000年の5.3%、6.1%からそれぞれ上昇しています。

 
また他の指標では好景気とされている州でさえも、最貧困層の割合が増加したところがありました。

石油・ガスブームに沸くノースダコタ州は失業率が低下しているものの、最貧困層の割合は5.2%と2000年から上昇しました。

テキサス、ニューヨーク、バーモント州でも同じでした。

 
またワシントン特別区では、典型的な世帯収入が2000年~2012年の間で23%増加し、インフレ調整後の年収は6万6583ドルとなりました。

しかし最貧困層の割合は10.4%と、ミシシッピ州の10.2%を上回り全米で最悪となりました。

 
実際、貧困層は、これまで少なかった地域で増えているようです。

貧困層の公式の割合が昨年、最低水準だったミネソタ州カーバー郡やバージニア州フェアファックス郡など全米35郡のうち、20郡でリセッション(景気後退)が終了したと考えられる2009年の水準を上回わりました。

雇用データを基にした米経済回復に関する情報は、概念の置き換えに他ならなりません。

それらは人々を欺くためのものです。

現在、雇用創出の大部分を占めているのは、ウエイトレスやウエイター、バーテンダー、その他の低賃金の職業です。

米国人の大多数は住宅を購入できないので親と同居しています。

銀行預金の利息も低いため、老後に備えることもできません。

米国では、最も裕福な1パーセントの層と、他の層との所得の差が、最大限に拡大しました。

最も裕福な1パーセントの層の所得は2012年、全所得の19パーセント以上を占めたのです。

大恐慌の時でさえ、このようなことはありませんでした。


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