米国デフォルト騒動は来年の2月7日まで先送りされただけのこと

米国デフォルト騒動
「米国は基軸通貨の米ドルを無限に印刷できるから破産などしない」と主張していた金融関係者らは今回の米国デフォルト騒動で肝を冷やしていることでしょう。




個人であろうが、法人企業であろうが、国家であろうが、返済不能なまでに膨張した借金が、最期には当該債務者を破産させてしまいます。

米国だけの破産で解決するのなら、米ドルから他の通貨へ移動させれば金融資産は保全されるでしょう。

しかし米国国家破産は、全世界に波及することが避けられません。

全世界を見渡しても財政が健全な国家は見当たらず、日本・中国・ヨーロッパのどれをとっても累積債務が膨張し続け、国家の連鎖倒産を視野に入れざるを得ない状況です。

資本主義の世界経済の牽引国である米国が、自国の累積債務上限を引き上げなければ、世界中が混乱するのは明らかです。

とりあえず来年の2月7日まで米国のデフォルト債務不履行は回避されたものの、劇的に米国財政が好転する気配など全くなく、この冬は薄氷を踏む想いで生きてゆかざるを得ません。

その薄氷が割れてしまったら、その日から世界は様相を一変させてしまいます。

しかも日本円に換算して300兆円を遙かに超えると推計されている中国バブル崩壊も日増しに現実的になっていて、米国に代わる世界経済の牽引国がないだけに心配です。

日本・中国・ヨーロッパの財政事情も米国の財政事情と大して変わらないだけに、改めて一人ひとりの現代人の生き様そのものが問われてゆくことになるのでしょう。

資金不足はどこの国も同じですが、過剰なまでの累積借入金で自国の自転車操業的な経済を運営するのは、どう考えても無謀なのです。

資金不足なら新規事業計画を取りやめるのが真っ当な経営感覚でしょうが、国民から押し寄せる反対の声に国会議員らは不良債権処理をなかなか実行できません。

国家財政に返済能力など無いのに、国民各層に既得権益として与えられている現代社会システムという現状維持を図るために、累積借金だけを雪だるま式に膨張させてしまいます。

膨れあがった風船が弾けるように、更なる国債発行という空気(=借金)を注入し続ければ、いずれ弾けることは明らかです。

財政破綻の瀬戸際にまで追い詰められてから財政再建を成功させる打ち出の小槌は存在しません。

歴史的にみても世界を席巻した大帝国のほとんどが財政破綻によって崩壊していきました。

財政再建の為には、膨れあがったあらゆる既得権益にメスを入れざるを得ないのですが、それをやってしまえば既得権益層からの猛反発を受けます。

選挙で落とされるだけならまだしも、ドラスティックな財政再建を成し遂げようと意気込めば意気込むほど選挙を待たずに、為政者はテロによる暗殺すら覚悟しなければならなくなります。

アベノミクスのモデルとなった高橋是清のリフレーション政策が所期の目的を達した頃、高率のインフレーションの発生が予見された為、これを抑えるべく軍事予算の縮小を図ったところ軍部の恨みを買って、高橋是清は82歳(満81歳)のとき二・二六事件において、赤坂の自宅二階で反乱軍の青年将校らに胸を6発撃たれ、暗殺されました。

命と金と名誉を欲しがる為政者では結果的に何もできず、国民を巻き込みながら奈落の底へ向かって突き進んでしまうだけです。

中央銀行による国債引き受けなど許されない歴史的な教訓ですが、FRBも日銀もECBも堂々とやっているのが現実です。

累積債務が膨らめば膨らむほど、破綻後の悲劇は拡大します。


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