売り手市場を作り出すのも思いのままになる場所とは?

売り手市場

売り手市場になるとは、心底欲しいのに手に入らない人を作り出す過程に他なりません。

もちろん、これは簡単に割り切れる話ではありません。

あなたにとっても会社にとっても、欲しい人が商品を買い逃す状況が嬉しいはずがありません。

希望者全員に商品を届けたいと思うのは自然なことです。

ところが売り手市場への道を阻(はば)んでいるのは、まさにその気持ちなのです。

フェラーリが欲しい人はたくさんいます。

しかしフェラーリ社の人間は、買えない人を思って眠れない夜を過ごしたりはしません。

彼らは、フェラーリがこれほどもてはやされるのは、買えない人たちがいるからだと知っています。

引く手あまたの商品には、いつも欲しいのに買えなかった人がいます。

買い逃した顧客は、商品への関心をすっかり失わせない程度にガッカリさせ、一方で購入した顧客には高い価値を提供します。

あなたがこの絶妙なバランスを保ち、売り手市場を維持できれば、利益は確実に上がります。




逆に、供給過多で誰もがその商品を購入できたら、価格も利益率も下がり、やがてあなたのビジネスは損失を計上するようになります。

売り手市場になりたければ、製品やサービスを買い逃す人が出てくることを恐れてはいけません。

それが市場の仕組みであり、あなたの稼ぎもそこで決まってくるのです。

ビジネスでは、需要と供給の方程式は以下の3通りのいずれかとなります。

  1. 売り手市場・・・需要が供給を上回り、費用を支払っても利益が出る。
  2. 需要=供給・・・需要と供給がほぼ同じで、費用は回収できるが利益は出ない。
  3. 買い手市場・・・供給が過剰で需要を上回り、損失が出る。

商品は何でも構いません。

重要なのは需要と供給の関係です。

商品が同じでも、需要と供給の関係が変われば利益率も変わります。

1980年代、カリフォルニアには美容整形を受けたがる人が何百人もいました。

しかし、整形外科の出来る外科医が足りなかったので、出来る医師は、豊胸手術や鼻の整形手術、ボトックス療法(訳注:しわ取り注射)で大儲け出来ました。

豪邸やヨットを所有し、車を10台購入し、投資に湯水のようにお金を使えました。

彼らが何百万ドルも稼げたのは、整形手術の市場では、売り手よりも買い手の方が圧倒的に多かったからでした。

ですが、それも今となっては過去の話です。

今や、ロサンゼルスには整形外科医が溢れています。

1980年代後半、整形外科医は儲かると知った大勢の医学生が専攻を変え、一儲けしようとビバリーヒルズを目指しました。

ところがいざ辿り着いてみると、名案を思い付いたのが自分だけではないことに気付きました。

1990年代には需要と供給のバランスが回復し、今ではロサンゼルスの整形外科医の収入は、通常の外科医と変わりません。

整形外科が儲かったのは、業界全体で整形ブームが起きたおかげでした。

需要と供給を考えるとき、大半の人は自分の小さな市場ばかりを見て、重要な点を見落としがちになります。

経済では、「消費者」全体の需要が、「業界」全体の供給を上回る時期が周期的にやってくるのです。

そうした時期には、「狂騒の20年代」(訳注:未曾有の好景気を迎えたアメリカの1920年代を表わす言葉)の頃のように多くのビジネスが順調になります。

あなたの業界でも、ある特定の分野の誰もが、供給が追い付かないほどの需要を経験する周期があります。

これを「業界ブーム」と呼びます。

たとえば1990年代後半にはITバブルが起き、シリコンバレーのIT企業の多くは、ちょっとしたアイデアで数百万ドルを儲けることができました。

その一方で、もっと進んだゲームをプレイすることも出来ます。

それは市場の一段深いレベルに潜り、経済や業界から離れ、自分だけの市場を作ることです。

そこは外界のあらゆるものから独立した「自分の需要と供給の力が支配する場所」です。

そこでなら、売り手市場を作り出すのも思いのままとなります。

業界から独立した存在になっても、需要と供給の力は同じように働きます。

それでもここでなら、顧客を集めなくとも、売り手市場になって利益の出る価格を維持できます。

そのためには、いくつかのポイントを押さえておくだけでいいです。


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