国と地方の借金(長期債務残高)が2014年度末にGDPの約2倍(1010兆円)になる見通し

麻生太郎財務相
政府は12月24日午前の閣議で2014年度一般会計予算案を決定しました。

総額は前年度比4%増の95兆8823億円と過去最大です。




消費増税によって税収は6年ぶりに50兆円台を回復するものの、4割超を国債に依存する厳しい財政運営が続きます。

7兆円近い税収増を見積もる一方で歳出も膨らみ、国・地方を合わせた長期債務残高は2014年度末に対GDP (国内総生産)比202%の1010兆円と初めて1000兆円を突破しました。

国の国債発行残高は対GDP比156%の780兆円程度といずれも過去最大を更新します。

安倍政権は経済再生・デフレ脱却と財政健全化の両立を掲げています。

2014年4月の消費税率8%への引き上げによる景気減速の回避を目的として国費5.5兆円、事業規模18.6兆円の大規模な経済対策を策定しました。

裏付けとなる今年度補正予算案(総額5兆4654億円)を12月12日に閣議決定し、来年度予算と一体的に国費を投入する構えです。

歳出は政策的経費が今年度比3%増の72兆6121億円。

うち社会保障費は消費税増収分を活用した分も含め今年度比5%増の30兆5175億円と初めて30兆円の大台に乗ります。

公共事業関係費はインフラ老朽化対策や東京五輪に向けた整備などのために今年度比13%増の5兆9685億円と大幅に増えました。

地方交付税交付金は今年度比2%減の16兆1424億円になります。

政府は国・地方の財政収支の対GDP比の赤字に関し、2010年度の6.6%から2015年度までに半減させ、2020年度には黒字化する財政健全化目標を掲げています。

8月に決定した中期財政計画では目標達成に向けて国の一般会計の財政赤字額を2013年度の23兆円から2015年度の15兆円程度へ圧縮するため、来年度に「4兆円程度」削減を求めていました。

税収増に伴い、新規国債発行額は前年度比4%減の41兆2500億円に抑制し、歳入に占める国債の比率を示す国債依存度は43%と今年度(46.3%)より改善しました。

基礎的財政収支の赤字幅は18兆円と、今年度に比べて5兆2000億円抑制し、中期財政計画の収支改善目標を達成しました。

改善幅は2007年の6.8兆円に次ぐ過去2番目の規模となります。

2015年度の半減目標が視野に入った一方で、2020年度黒字化への道のりは遠いです。

麻生太郎財務相は12月24日の閣議後会見で、「2020年度に関しては2015年度に達成できる程、自信があるわけではない」と話した上で、2020年度の目標達成について「景気回復の方が財政健全化より優先順位が高い。景気回復を優先させなければまた同じような話になる」とも述べ、景気動向によっては「棚上げ」も辞さない考えを示しました。

歳出の24%を占める国債費は利払い費の増加を受け、今年度比5%増の23兆2702億円と過去最大を更新しました。

見積もりに用いる積算金利は横ばいの1.8%。

基礎年金の国庫負担分の財源確保のために2012と2013年度に発行された国債の償還費3027億円も含まれています。

歳入では、税収が消費税の増収分4兆5350億円などを想定し、今年度比16%増の50兆10億円と、2008年のリーマンショック前の水準を回復しました。

税外収入は外国為替資金特別会計からの剰余金繰り入れ分1兆5852億円などを含む4兆6313億円を確保しました。

また、特別会計の統廃合(現行の17から14)による増収7946億円も含まれます。

「第2の予算」と呼ばれ、5年以上の資金運用を計上している財政投融資計画は今年度比12%減の16兆1800億円と当初ベースで3年ぶりに減少しました。

特に日本企業の海外展開やインフラ輸出・資源確保を支援するための長期リスクマネーを供給する産業投資は今年度比20%増の3172億円と過去最大規模を確保しました。

財源として政府保有のNTT株の保有規定3分の1を超える超過分の売却益1022億円を活用します。


カテゴリー: 財政問題 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。