絶えず糖新生からブドウ糖を合成する為に皮下脂肪組織が発達しているのかも

糖新生
動物たちは「糖新生」によってブドウ糖を調達し、血糖の維持を行なっています。

糖新生は当初、飢餓状態の時のグルカゴンというホルモン分泌が引き金になって、糖以外の物質からブドウ糖が作られる現象として発見されましたが、その後、飢餓状態と無関係に起きていることが判明しました。




現在では、次の5つの経路が判明しています。

  • 糖原性アミノ酸 → ブドウ糖
  • ピルビン酸 → ブドウ糖
  • プロピオン酸 → ブドウ糖
  • グリセロール → ブドウ糖
  • 乳酸 → ブドウ糖

肉食動物の猫は、血糖値が下がるとタンパク質を分解して、糖原性アミノ酸にして これを元にブドウ糖を作りますし、草食動物の牛は、プロピオン酸からの糖新生でブドウ糖を作っています。

実は、この糖新生は、飢餓状態と無関係に、常に動物の体で起きている普遍的な現象なのです。

つまり、あなたの体で、今、この瞬間にも、糖新生が起きています。

脳でのブドウ糖消費量が多ければ多いほど、絶えず糖新生からブドウ糖を合成する必要があることになります。

一方、人間は「正常血糖値100mg/dl群」の生物であり、それ以上の血糖値が続くと、神経や血管が損傷されます。

人間の体の基本仕様は100mg/dlであり、血糖値を上げたくても上げられないのです。

つまり、人間の脳では、「ブドウ糖は大量に使わないといけないのに、脳に行く血管の血糖値は100mg/dl以上に上げられない」というジレンマが生じるわけです。

このジレンマを解消するためには、血糖値を常にチェックしながら糖新生を こまめにコントロールして、ブドウ糖を作り続けるしかありません。

一方、糖新生をするためには、エネルギーが必要です。

糖原性アミノ酸からブドウ糖を作るにも、ピルビン酸からブドウ糖を作るにも、それ相応のエネルギーが必要なのです。

そのエネルギーを何処(どこ)かから調達しなければいけません。

そのエネルギー源は脂肪酸です。

大量のATPを常に産生できる脂肪酸はまさに、持続的糖新生のための理想的なエネルギー源なのです。

もしかしたら、これこそが、人間の皮下脂肪組織が発達している理由ではないのでしょうか。

つまり、[脳でのブドウ糖の連続大量消費]→[消費分を補うために糖新生を持続フル回転]→[そのためには連続的エネルギー生産が必要]→[エネルギー源である脂肪酸の貯蔵が必要]という方向に進化したわけであり、その結果生まれたのが、人体の皮下脂肪ではないのでしょうか。

つまり、皮下脂肪に大量の脂肪酸をストックしておけば、常に糖新生を動かすことができ、どんなに大量のブドウ糖を消費したとしても、血糖値を100mg/dlに維持できることになります。


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