たんす預金を減らすことがデフレ脱却には欠かせない

たんす預金
2013年末、流通する通貨総額は90兆円に達しました。

これは2000~2010年と比較すると17%増で、経済規模に照らして比較した場合、主な先進国の中で最大です。




連邦準備制度理事会(FRB)のデータによりますと、米国では、通貨流通量は1人当たり2029ドル(約21万円)となっています(米国外や国内銀行が保有する紙幣を除く)。

これは日本の通貨流通量の3分の1を下回る水準です。

日本では過去3年間、紙幣需要が高まっています。

国際決済銀行(BIS)によりますと、名目国内総生産(GDP)に対する流通紙幣量は1990年半ばまで10%をやや下回る水準でほぼ安定していましたが、2012年末までに19%に上昇しました。

これは他の先進国の水準を2倍以上上回っています。

国民が現金を全部使うのであれば問題ないのですが、たんす預金になっているとすれば、これはデフレを終焉させるという安倍晋三首相の目標を損ないかねません。

2000年前後に複数の大手行が破綻した後、金利は非常に低い水準に据え置かれるなか、高齢化する国民にとって銀行に預金する動機がほとんどなく、自宅に現金を保管する傾向を生んでいます。

2008年の金融危機以来、1万円札の需要が10%増加している一方、1000円札の需要は横ばいにとどまっています。

国際決済銀行(BIS)によりますと、2012年は、日本で流通している紙幣と硬貨全体の87.5%は銀行に預けてあるのではなく、個人や企業、地方自治体の手元にありました。

防犯関連を手掛ける企業の担当者は、財布の中の3万~4万円に加え、一家に少なくとも10万~20万円しまってあるのはごく普通だと話します。

国内のお金の流れを復活することが、1年ほど前に始まった安倍首相の経済政策の目標の1つです。

首相は、インフレの発生によって家庭に蓄えているお金の価値が下がり、物価が上昇する前に、国民が銀行預金や現金を急いで使用することを期待しています。

エコノミストの一部は一層過激な解決策を提案しています。

1つの方法は、株式や外債といった金融資産には課税せず、現金および銀行預金に日銀が税金を課すというものです。

もう1つの提案は、日銀が新紙幣を導入し、旧紙幣を新紙幣に交換する際に料金を課す方法で、旧1000円札の新紙幣との交換には20円かかるといった具合です。

そうなれば、税金を回避するために旧紙幣の期限切れを前に、国民による旧紙幣の使用が促進されるでしょう。

米クレジットカード大手マスターカードは9月のリポートで、日本の小売店での取引総額の38%が現金によるとの概算を示しました。

これに対し米国の場合は20%です。

ミシュランガイドで最高ランクの三ツ星を得ている東京のレストラン13店舗のうちの2店をはじめ、多くの中小の店ではクレジットカードを使用できません。

この現状は、日本の犯罪率が世界で最も低い水準にあることも起因しているようですが、はたして自宅に現金を保管する傾向を変えることができるでしょうか。


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