高濃度の硝酸態窒素を含んだ野菜の規制は日本にはありません

硝酸態窒素
日本の農業が抱えている硝酸態窒素の問題が由々しき事態となっています。

硝酸態窒素は、EUでは人体に影響があるということで野菜に含まれる硝酸態窒素濃度の規制がありますが、日本の農林水産省は確たる証拠がないとして、まったく野放し状態で安全基準すら定められていません。

ですから、この硝酸態窒素のことは一般にはあまり知られていません。




農林水産省のこの見解は、トランス脂肪酸に対しての消費者庁のそれと全く同じです。

トランス脂肪酸に関しては、アメリカがその危険性を無視できず、規制を強めることとなりました。

おそらくトランス脂肪酸は、日本でもいつかは規制されることになるでしょう。

硝酸態窒素も規制される可能性が高いと私は思っています。

慣行栽培、有機栽培を問わず、販売されている野菜のほとんどには、作物の成長に必要な窒素を補うために肥料が使われることが多いです。

作物を早く成長させるために大量の肥料を蒔(ま)くと、土は窒素過多となり、その窒素が土中の微生物の働きで硝酸態窒素に変わり、それを野菜が吸い上げて取り込むことになります。

そして、これが人体に入ると唾液などと混じり合ってニトロソアミンという発がん性物質が生成されてしまうのです。

ニトロソアミンはまた、メトヘモグロビン血症(血液中に酸素と結合できない鉄分・メトヘモグロビンが増え、酸欠状態になってチアノーゼを起こします)や生殖機能障害といった重大な健康被害を引き起こすことが分かっています。

ちなみに、硝酸態窒素の含有量が多い野菜ほど不味(まず)いと言われています。

では何故、肥料を蒔くと、土中の窒素過多、ひいては硝酸態窒素過多を引き起こすのでしょうか。

実は、日本における家畜の排泄物(糞尿)は、年間約9000万トンにも及ぶと言われ、窒素分を多く含んだその排泄物の8割以上が堆肥などとして農地に入れられています。

言うまでもなく窒素は、空気中に最も多く含まれる気体であり、空気のおよそ78%を占めると言われています。

また、アミノ酸や、アミノ酸が集合して造られるタンパク質などとして生体物質中にも含まれています。

生物にとって必須の元素である窒素ですが、近年、日本においては、過剰な家畜の排泄物を含んだ堆肥によって、農地が窒素過多の状態になり、作物の硝酸態窒素過多に繋がっているのです。

硝酸態窒素の問題はかなり深刻で、野菜のみならず水にも含まれてしまっています。

アメリカでは以前、高濃度の硝酸態窒素に汚染された水を飲んで乳幼児が死亡するという事件が起き、そのときの乳幼児の状態から「ブルーベビー症候群」と名付けられました。

硝酸態窒素による酸素欠乏に陥った赤ちゃんが真っ青になってしまったからです。

そのことをきっかけに、WHO(世界保健機関)では、飲料水に含まれる硝酸態窒素濃度の上限値を10ppmと定めています。

日本でも当然、飲料水に関してはこれを準拠しているのですが、野菜に関しては規制がありません。

野菜ジュースの中に、水道水基準値の10倍もの硝酸態窒素の残留が検出された製品もありました。

硝酸態窒素を大量に摂取すると、私たちの体内では何が起こるかというと、まず体内で腸内細菌により硝酸態窒素が亜硝酸態窒素に還元されます。

次にこの亜硝酸態窒素が吸収されて、血液中のヘモグロビンを酸化し、メトヘモグロビンという物質を生成します。

この物質が、私たちの体に酸素欠乏症を引き起こす可能性があると言われているのです。

しかもそのうえ、このメトヘモグロビンは、体内で第2級アミン(R2NH)と結合してニトロソアミンという強力な発がん性物質を生じることになります。

この件に関する報道がないので、あまり知られていないのですが、日本で売られている野菜には相当量の硝酸態窒素が含まれていると言われています。

日本人の死因第1位である癌(がん)の一因は、この硝酸態窒素にあると指摘している人さえいます。

農薬や化学肥料の問題とは別に、安全性という観点で見れば、硝酸態窒素のことも考えていかなければなりません。

ですが、低価格を追求する外食産業がそんなことを考えるはずもなく、したがって、硝酸態窒素が含まれた危険な野菜が使われている可能性は極めて高いです。

そもそも硝酸態窒素の問題は、人々の動物性タンパク質摂取と密接に関わっています。

畜産業界はこれまで、自分たちの利益追求のために、不必要な量の動物性タンパク質を摂取するよう勧めてきましたが、最新の栄養学はそれが間違いであったことを証明しました。

私たちの体は、それほど多量のタンパク質を必要としていないのです。

私たちの体に備わっているオートファジーというシステムが働いて、自らの不要となったタンパク質をアミノ酸に分解し、それを再合成して、新しいタンパク質を作り続けているのです。

ですから私は、食事から摂る動物性タンパク質は食事全体の10%の量で良いと主張してきました。

もし多くの人が、私が提唱する食事のシステムを取り入れたとすると、生産される食肉の量は極端に減り、その排泄物も当然のことながら減ります。

結果として、過剰な窒素は徐々に減っていくこととなります。

つまり、私たちの健康的な食事がそのまま、国土の健全性を回復し、保持することに繋がるわけです。


カテゴリー: 健康管理 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。