安倍総理大臣記者会見(2013.10.1) 質疑応答 全文

安倍晋三首相
安倍総理大臣は、1日夜、総理大臣官邸で記者会見し、消費税率を来年4月から8%に引き上げる決断をした理由などについて説明しました。安倍総理大臣の会見の全文を掲載します。




質疑応答

質問

国民の負担増がいわれるなかで、今回の経済政策パッケージは、「法人優先だ」という指摘もある。

総理は、企業収益の増加によって賃上げと雇用の拡大を目指すと言ったが、具体的にどのように実現する考えか。

また、復興特別法人税の撤廃と、法人税の実効税率の引き下げについては「検討」ということばを使ったが、かなり意欲も感じた。

来年度の復興特別法人税の撤廃、再来年度以降の法人税の実効税率の引き下げを目指す考えか。

(首相)

法人対個人、そういう考え方を私は取りません。

今、多くの個人は法人で仕事をして収入を得ているわけで、会社で働き、給料を得て、暮らしを立てています。

企業の収益が伸びていけば雇用が増えていきますし、さらに賃金が増えていけば家計も潤っていくわけです。

しかし、長いデフレの間に、企業は投資や従業員への還元を行わずに、ずっとお金をため込んできた状況が続きました。

だからこそ、デフレからの脱却です。

つまり、企業にとって投資をしたり、あるいは、しっかりと従業員に還元していかなければ逆に企業が損をしていくという時代に私たちは変えていきます。

そのうえで、われわれは、企業がグローバルな経済のなかで、競争力を持ち、勝ち抜き、雇用を確保し、雇用を作り、さらに賃金を上げていくという状況を作らなければならないと思っています。

15年間も続いてきた、こびりついたこのデフレマインドを払拭をすることは、そう簡単なことではないと私は認識しています。

だからこそ、至難な技ではありますが、私たちは今つかんだチャンスを逃してはならない。

政・労・使の対話の場も作りました。

賃金という形で、なるべく早く従業員に還元し、それが消費に回っていけば、好循環に入る。

そういう状況を作らなければならないと思っているわけです。

3本の矢によって、まさに日本経済は回復していき、額に汗して働く人々に経済成長の実感を全国津々浦々にお届けしていきたいと考えています。

復興特別法人税の1年前倒しでの廃止の検討についても、足元の経済成長を賃上げにつなげることを前提に行うものであり、働く方々に、成長の果実を実感していただくためのものです。

検討に当たっては、復興特別法人税の廃止が賃金上昇につながっていくことを踏まえたうえで、12月中に結論を得ることとしたいと思います。

もちろん、復興財源はしっかりと確保していくことが前提です。

安倍政権において、19兆円から25兆円に増やした復興のための財源を減らすことはありません。

法人税率については、与党において速やかに検討を開始していただくこととしました。

わが国の持続的な成長に向け、国際競争に打ち勝ち、世界から日本に投資を呼び込むため、真剣に検討を進めていかなければならない課題であると考えており、しっかりと議論を進めていただきたいと思っています。

質問

2015年10月には消費税率を10%に引き上げることが法律で決まっているが、判断はいつごろ、どのように行うのか。

また、今回の増税に当たっては、所得税や住民税などの減税、個人負担を軽減するための措置、所得の低い人への対策の充実を求める声もあるが、こうした声に対し、具体的にどのように応えていくのか。

(首相)

税制根本改革法において、2015年10月に10%へ消費税率を引き上げていくことが規定されていますが、その引き上げについては、改めて付則第18条にのっとって、経済状況等を総合的に勘案して、判断時期も含めて適切に判断していきたい、決断していきたいと考えています。

大胆な投資減税や復興特別法人税の1年前倒しでの廃止についての検討は、企業収益の向上が、賃金上昇、雇用拡大につながり、消費を押し上げることを通じて、さらなる企業収益につながって、好循環を実現していくためのものです。

これによって、成長の成果を全国津々浦々にお届けしていきたいと考えています。

これに加えて、今回の経済政策パッケージでは、所得の低い方々への1万円の簡素な給付措置や過去最大規模の住宅ローン減税の拡充、住宅にかかる最大30万円の給付措置など、消費税による負担増に配慮した措置もしっかりと講ずることにしています。

いずれにせよ、企業偏重とか、法人対個人といった単純な図式ではなく、国民全体の収入を引き上げていくためにはどうすればいいかという観点から、しっかりと考えてきました。

質問

復興特別法人税の撤廃の検討について、賃上げを前提に12月中に結論を得るということだが、具体的にどんな要件がそろえば前提条件がクリアされたと考えるか。

(首相)

先ほど申し上げましたように、企業の収益が増加して、それが内部留保には向かわずに、しっかりと投資、特に人材への投資、つまり給与へ反映されていくことによって、消費につながり、さらに消費から企業の収益が増えていく、経済が成長していくという、よい循環に入っていくということを、経営者の皆さんにも理解していただかなければなりません。

私は年初から経団連をはじめ、経済界にお話をして、それに対応していただいたところもありました。

さらには、政・労・使の場において、そうした共通理解を作っていこうと考えているわけです。

こうした理解が進むなかで、復興特別法人税の1年前倒しについて、企業側の理解が進み、大きく考え方が変化して、進んでいくという確信が得られていくなかで判断していきたいと思います。

当然、被災地の皆さんに、決して復興のための予算を削るものではないということを説明しながら、理解を深めるなかで判断をしていきたいと思っています。

質問

消費税率引き上げの決断に至るまで、与党側には政府との調整が不足していたのではないかという不満もあるが、総理はどのように考えるか。

また、自民党税調はかつて特殊な存在とされていたが、年末の税制改正に向けて、党税調の在り方をどのように考えるか。

また、公明党とは安全保障の課題でも若干温度差が出ているが、公明党との関係をどのように築いて理解を求めていく考えか。

(首相)

8月の大半の期間は、消費税を上げていくことについて、さまざまな有識者から意見を聞く集中的な検討期間とさせていただきました。

そして、それを踏まえて、9月に、さらにさまざまな指標を基に検討をしたわけで、その中で、引き上げた場合の対策パッケージを与党にお願いしました。

与党側には、確かに検討する期間は短かったかもしれませんが、土日、休日返上で議論をしていただいたと思っています。

自民党の歴史においては、さまざまな重要課題について相当激しい議論を行います。

しかし、決まれば、みんなまとまって1つの方向に進んでいく、これが、われわれ責任与党のきょうじであろうと思っています。

公明党とは、風雪に耐えた連立政権であると思いますが、長い間続いてきたからといって、それに甘えることがあってはならないと思いますし、これからも政策において丁寧に理解を得る努力を続けていきたいと思っております。

安全保障に関わる政策についても、友党である、そして大切な連立与党である公明党の理解を得るための努力は当然行っていきたいと思っています。


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