国債急落のリスクを警戒して消費増税実施を訴える黒田日銀総裁

黒田日銀総裁
日銀は物価安定目標を達成するために大量の国債を買い入れ「日本国債を121兆円持つ最大の保有者」になりました。




もし国債相場が急落すれば、保有債券の含み損急増という日銀にとって隠れた最大のリスクが表面化する可能性があります。

日銀は消費増税の影響を織り込んだ上で量的・質的金融緩和を実施していますので、予定通りの消費増税で財政への信認を保つよう訴えました。

内戦状態にあるシリアの混乱は金融市場のリスク回避ムードを高めていますので、黒田日銀総裁は「新興国を含め、国際金融資本市場の動向を引き続き注意深く見る必要がある」とリスク要因があることを認めたうえで、むしろ、今の日銀にとっては、政府が2014年4月の消費税引き上げを見送ることが「最大のリスク要因」と映っているようです。

消費増税を見送ったときの影響について「財政への信認が傷つき、国債価格が下がれば財政拡張はできない。金融政策での対応も困難になる」と黒田日銀総裁は増税先送りで国債相場の急落につながる可能性が小さくても、いったん顕在化すればお手上げになるとの考えを示しました。

財務省は9月4日、2014年度予算概算要求の一般会計総額が99兆2500億円になったと発表しました。

一般会計の要求額としては2012年度の98兆4686億円を上回り過去最大となりました。

このうち防災対策や成長が期待できる医療、農業などに重点要求できる「優先課題推進枠」には、ほぼ上限の3兆5177億円の要求がありました。

東日本大震災復興特別会計3兆6377億円と合算しますと、要求額は2年連続で100兆円を超えたことになります。

このように財源の少なさに嘆く財務省としては黒田日銀総裁と同じく、消費増税は予定どおりの実施を希望していますが、政府関係者の中には消費増税に慎重な発言をする人もいます。

菅義偉官房長官は9月5日、BS11の番組収録で、消費税率8%への引き上げについて「3%の引き上げはものすごい影響がある。安倍晋三首相はデフレ脱却に懸ける鬼だ。ここでできなければ、財政再建も難しいだろう。この問題は慎重の上にも慎重に推移を見ている」と述べ、首相は判断に当たり景気への影響を最も重視すると指摘しました。

国外のマーケット関係者からの声は、国債急落のリスクを警戒して「予定どおりの消費増税実施」が大半のようですから、安倍晋三首相は決断するまでに頭を抱えることでしょう。


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