消費税増税なら日銀は新たな金融緩和措置が必要

浜田宏一内閣官房参与
安倍晋三首相は今秋、2014年4月に予定通り消費税率を8%に引き上げるかどうかの最終判断を下します。




政府は消費増税が景気に与える影響を見極めるため、週明けから6日間にわたり総勢59人もの有識者に意見を聴く予定です。

異例の態勢を敷いた背景には、消費税率引き上げ後に深刻な景気後退に見舞われた1997年の二の舞いを避けたいとの危機感がうかがえます。

1997年の消費税増税のその後、税収全体は1997年には50兆円強あったところから、2011年には40兆円強というところまで約10兆円減りました。

1997年の消費税増税後、日本経済のデフレ不況が深刻化し、法人税や所得税が減ったため、税収は1997年の水準を一度も回復していません。

増税となった場合には、大胆な金融緩和を継続中の日銀がさらなる措置を講じざるを得なくなるという点では、増税支持派も反対派も一致しています。

消費税を予定通り来年4月に現行の5%から8%に引き上げるべきだとする増税支持派は、国内総生産(GDP)の2倍超に達している巨額の公的債務を抑制するための第一歩として増税は必要不可欠だと主張します。

一方増税反対派は賃金がほとんど上昇していない段階で増税すれば、15年間に及ぶデフレからの脱却がとん挫する恐れがあると主張します。

増税に慎重な浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)は、「安倍首相が増税に踏み切るならば、色々な金融のテクニックを使って、金融緩和で景気への悪影響を和らげるということもありうる」と述べました。

本田悦郎内閣官房参与(静岡県立大学教授)も、増税が実施されるならば、政府と日銀は景気への悪影響を緩和するため、「すでに手段が使い尽くされているというわけではない」と強調しながら「できることはすべてやる必要がある」と語りました。

これに対し財務省は、浜田、本田の両内閣参与とは意見を異にしながらも、「万一市場が良くない雰囲気になってきたら、これまで黒田日銀総裁が言ってきた線で、柔軟に対応願う」という立場のようです。

黒田日銀総裁は、消費税増税が消費の足かせになったとしても、2年後にインフレ率を2%にするという目標は達成可能との姿勢を堅持しています。

日銀が持っているオプションの一つとして、上場投資信託(ETF)などの資産の追加購入があります。

国債買い入れの増額は4~5月に国債相場が乱高下したように市場を再び不安定にする恐れがあります。

また、銀行が日銀に積み立てている準備預金に対する0.1%の金利を撤廃する案もあります。


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