紙幣増刷は短期的には経済に好影響をもたらすが・・・

量的緩和
紙幣増刷の短期的な刺激効果は多岐にわたります。

第1に、アメリカ政府をはじめとする債券の売り方は、FRBという買い方がいるおかげで、本来よりも低い金利で資金を調達することができます。




第2に、債券の保有や新規購入に充てられていたはずの莫大な資金が、株式市場に流れ込んでくるため、株式投資家に幸せが訪れます。

株価上昇は間接的に消費者、とりわけ株の保有者の自信を高めさせ、小幅ながらも消費支出を押し上げます。

所得上位20%に属する人々は、全消費支出の40%を担っていて、この所得層は、株を所有している可能性と、株価上昇から恩恵を受ける可能性が最も高い。

つまり、株高はアメリカで最も重要な消費者層に、商品およびサービスに対する支出増を促すわけです。

紙幣増刷は短期的に金利を低く抑え、事業拡大と従業員増員のための融資を望む企業にも、ローン金利を低く抑えたい住宅購入者にも、変動金利でお金を借りている債務者(消費者の大多数とアメリカ政府)にも恩恵をもたらします。

FRBはQE1とQE2、QE3を通じて、まさにこのような短期的刺激と短期的利益を経済にもたらそうとしているのです。

通貨供給量の大幅な増加が、高インフレと高金利をもたらし、やがて経済に悪影響を与えるリスクを、ベン・バーナンキFRB議長らは100パーセント認識していました。

しかし、再び下落する株式市場と、さらに落ち込む住宅価格と、なかなか回復しない経済を座して見守るより、あえてリスクをとることを選択したのです。

経済が元気を取り戻したら、QE1、QE2、QE3で買い入れた債券を投資家に売り、売却分を“帳簿”から外すことによって、危険なインフレ率と金利の上昇が始まる前に通貨供給量を減少させるというのがFRBのシナリオです。

彼らは将来の経済繁栄を当てにしています。

大勢の積極的な投資家がFRBの保有債券を競って買い求め、未来における高インフレと高金利が回避されると願っています。


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