優れたストーリーだけが人を行動に導ける

物語は様々な理由によって、そして様々な次元で非常に強い説得力を備えています。

私たちが物語を聞くことに慣れているのは、そうなるように躾(しつけ)られてきたからです。

口頭伝承による言い伝えは、印刷技術や電子通信によるコミュニケーションが発達する遥か昔から語り継がれていています。

また私たちは どんなに話が下手な人であっても、他人(ひと)の話は我慢して きちんと聞くようにも躾られています。

そして幼い頃から物語にはメッセージがあることや、それを読解する方法を学びますが、読解をするときは注意を払う必要があることも学びます。

物語が説得力を備えている理由の1つに、聞き手に行動を促すことも挙げられます。




文字、口頭、電子通信などの伝達手段を問わず、素晴らしい物語は人を ある種の恍惚(こうこつ)状態にしますが、このとき私たちは自分が物語の一部に加わっているところを想像します。

人は頭の中に取り込むまで、体による外的な行動を起こすことは出来ません。

最初に頭の中に思い浮かべてから行動が起きるのです。

物語を聞くときは左右両方の脳が用いられるので、人は物語を記憶すると同時に感情を刺激されます。

物語は感情を刺激するのです。

誰かを説得するときは自分の言いたい事柄と相手に伝えたいメッセージ、相手にしてもらいたい行動について考えることが必要となります。

その作業を終えてからストーリーを練り始めましょう。

説得力あるストーリーは、普通のストーリーとは根本から異なっています。

それは相手の注意を引き付け、高い次元で興味をかきたて、欲望を刺激し、自分の望む決断を相手から引き出し、相手に行動を促します。

上手に語られたストーリーが持つ見えないパワーの1つは、それがあなたにしか語れないストーリーであること、つまりライバルには語れないストーリーであることです。

これは広告業界で提唱されたAIDMAの法則(Attention / 注意、Interest / 関心、Desire / 欲求、Memory / 記憶、Action / 行動)によく似ていますが、その理由は至ってシンプルです。

最も巧みな広告制作者は、並外れたストーリーテラーでもあります。

彼らはストーリーを噛み砕き、その本質を最もシンプルな形にまとめて広告として提示するのです。

説得力を備えたストーリーと本で読む物語は、別物として扱わなければなりません。

構成や伝えられる要素には共通点が多いのですが、意図や目的が異なっているからです。

本の物語は「読者を楽しませる」ことが目的ですので、読者を感動させて現実逃避を満たすために構成が組まれます。

小説で実証済みの諸要素や口頭伝承の形式などを説得力あるストーリーにも流用することはできますが、その結果もたらされる効果は、小説などの場合と別物でなければなりません。

説得力を備えたストーリーは、説得者があらかじめ用意した結論や行動に相手を導けるように構成する必要があるのです。


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