世界経済見通し
経済協力開発機構(OECD)は世界の成長見通しを引き下げました。

中国やその他新興市場の景気拡大ペース鈍化が理由です。

OECDが5月6日に発表した半期経済報告によりますと、世界経済の今年の成長率は3.4%の見込みです。

昨年11月時点には3.6%と予想していました。

中国の成長率予想は7.4%と、従来見通しの8.2%から下方修正しました。

この成長減速は過熱気味の状態からの循環的な減速を反映したもので、ある意味では健全なものですが、与信のペース鈍化および世界的な金融緩和期に積み上がったリスクを管理するのが大きな課題です。

世界成長の見通し引き下げは半年で2回目になりました。

先進国経済は金融危機から回復しつつあるものの、経済運営で当局が難しい舵取りを迫られていることがあらためて示されました。

OECDはまた、ウクライナ情勢で地政学上の不透明感が増したとも指摘しました。

OECDは、欧州中央銀行(ECB)には追加利下げが必要とし、一方で米金融当局は年内に債券購入を終了させるべきだとの見解を示しました。

財政については、米欧双方とも赤字削減のペースを緩める余裕があるとの見方を示しました。

報告書は、ユーロ圏では「低インフレの展開を踏まえ、追加利下げが妥当だ。回復がよりしっかり根付いている米国では、2014年中に資産購入を終わらせ2015年中に政策金利引き上げを開始すべきだ」と論じています。

この日の予想によりますと、ユーロ圏の成長率は今年が1.2%、来年が1.7%の見込みです。

昨年11月時点のそれぞれ1%と1.6%予想から引き上げられました。

ECBは5月8日に定例政策委員会を開きます。

政策金利は既に過去最低(0.25%)にあり、OECDは当局が追加の非伝統的措置を講じる用意が必要だと指摘しました。

OECDによりますと、米経済は今年が2.6%成長、来年が3.5%成長と見込まれます。

昨年11月時点の予想はそれぞれ2.9%と3.4%。

米経済は「厳冬の影響が薄れた後、14年中に加速するだろう」とOECDは予想。

潤沢なキャッシュフローと需要見通しの改善で、企業の投資は大きく加速するとみられます。

中国については今年7.4%、来年7.3%成長を予想。

11月時点のそれぞれ8.2%と7.5%予想から下方修正しました。

拡大ペースの鈍化の背景に「融資抑制の取り組みによる投資の減速」を挙げた上で、中国人民銀行(中銀)は「急激な景気減速」の場合は追加緩和をためらうべきではないとの見解を示しました。

日本については2014、2015両年とも1.2%成長を予想しました。

OECDは先進国の中で日本のみについて、「極めて大規模な」財政赤字削減計画が必要と指摘。

グロスの公的債務が国内総生産(GDP)の230%を超えている状況で、詳細かつ信頼できる財政健全化計画が引き続き最優先課題です。