2013年度下期の大手生命保険9社の資産運用計画

資産運用
2013年度下期の資産運用に際して、大手生命保険9社から日本国債の金利低下に警戒感を示す声が多くなっています。




生保各社は、将来の保険金支払いが負債の多くを占め、基本的に長期国債での運用がメーンになりますが、金利が低過ぎては支払いに対応する十分な利回りを得られません。

明治安田生命は、金利の乱高下や流動性の低下を嫌い、2013年度上期に円建て公社債残高を2000億円減少させました。

計画では2013年度下期に7000億円を積み増す予定ですが、明治安田生命の山下敏彦常務執行役は10月24日の会見で、国内金利に低下圧力がかかる中で「このレベルで国債を買うことには慎重にならざるを得ない」と、長期金利低下に警戒感を示しました。

日本の10年長期国債利回り(長期国債)は0.6%を割り込み、生保の主要運用商品である20年債利回りも1.5%を下回っています。

多くの生保が10年債金利の予想レンジ下限を0.5%に設定していて、さらなる金利低下の可能性を視野に入れています。

日本生命保険は、2013年度下期の増加資金5800億円程度のうち、約7割程度を国内債券やヘッジ付外債などの円金利資産に投資する方針です。

円金利資産で7割、円金利以外の運用資産で3割とする従来からの運用の大枠を維持しますが、大関洋財務企画部長は10月22日の会見で、20年債の利回り1.5%付近は積極的に積み増す水準ではないと語りました。

流動性が低下していることへの警戒感も強くなっています。

今年4月に日銀が導入した「量的・質的緩和政策」で新発国債を7割購入することになり、国債市場の流動性が低下しました。

「突発的なイベントで金利が急騰するような場合、売れるかどうかわからなくなった」と富国生命の渡部毅彦・財務企画部長は警戒します。

2013年度下期は国内公社債を500億円程度積み増す方針ですが、金利や流動性の動向次第であり、無理に積み増すことはしない方針です。

2013年度下期運用計画では、大手9社で1兆円を超える国内債券の積み増しとなっていますが、金利が低位で推移し続ければ、残高はさほど増えない可能性もあります。

その受け皿となる可能性があるのは外債です。

年度当初の市場の期待ほどは膨らみませんでしたが、上期の運用実績をみますと、円債の代替運用先として外債に資金を振り向けた生保は少なくありません。

太陽生命は2013年度上期、外債を2000億円以上増やしました。

欧州債やカナダ債が中心ですが、米国の長期金利が3%に上昇した9月上旬には米国債も購入したといいます。

2013年度下期も引き続き外債は買い増し方向で、為替のリスクを取らずに、ヘッジ付き外債を中心に買い増す方針としています。

世界の金利の「基準」である米国債の利回りが、米量的緩和縮小(テーパリング)の先送り観測で、再び低下傾向に入っているほか、過剰流動性を背景にしたマネーが各国の国債に流れ込み、金利低下を促す可能性もあります。

ただ、それでも日本よりは利回り水準は依然として高く、金利収入を得るために、外債投資は下期以降も拡大する見通しです。

住友生命は、国内金利が非常に低い水準で推移する期間が想定以上に長期化する場合、外国債券へのシフトも検討していく、としています。

オープン外債の為替ヘッジについても、ドル/円が緩やかに上昇していくとの相場見通しのもと、徐々にヘッジを外す方針です。

オープン外債の購入が増えれば、円安を促す効果も強まります。

一方、ヘッジ外債を円金利の代替資産と位置付ける生保は多いようです。

世界的な金融緩和で海外の短期金利が低下し、ヘッジコストは安くなっています。

一方、国内株式への慎重な姿勢は変わりありません。

富国生命では、国内株式について当初計画通り、簿価ベースで横ばいを上期、下期通じて維持する予定です。

日本株市場に関しては、円安により輸出企業の収益が改善しているほか、経済や企業にも前向きな動きが出ていて、明るい見通しを抱いています。

ただ、ALM(資産・負債の総合管理)上のバランスや、高いリスクウエートを考慮すると、簿価ベースを維持して、株価上昇による含み益を享受する姿勢を維持せざるを得ません。

日経平均の2013年度下期予想レンジの上限を17,000円に設定する生保も3社ありましたが、慎重な投資姿勢は他社と変わりありません。

明治安田生命は当初計画では、国内株を減少させる方針でしたが、2013年度上期は100億円程度の増加となりましたが、価格変動リスク抑制の観点から最終的には残高を圧縮する方針だといいます。


カテゴリー: 国債 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。