債務上限引き上げ不成立なら米経済と世界経済が深刻な事態に

米国議会
米政府が一時的でも債務返済に支障を来せば、米経済と世界経済に「壊滅的な」影響が及ぶと国際通貨基金(IMF)は警鐘を鳴らしています。





債務上限引き上げ

来月半ばまでに連邦政府の債務上限引き上げで議会が合意できなければ、政府の資金は枯渇し、社会保障や退役軍人向けの給付金を支給できなくなるからです。

こうしたショックはたとえ一時的でも、欧州は2年間に及ぶ深刻なリセッション(景気後退)を脱する兆しがようやく見られ始めたばかりですし、新興国の経済成長は減速しつつあるわけですから世界経済の成長率を0.5ポイント程度押し下げる可能性があるとIMFは推計しています。

IMFは米経済に関する7月の報告で、経済に甚大な影響が及ぶ恐れから、債務上限をめぐって大きな混乱が生じるのは避けられそうだと述べました。

IMFでは、米国の議会と政府が短期的な赤字削減や債務上限をめぐり合意に達するとの想定の下、米成長率が来年に1ポイント加速し、2.7%に達すると予想しています。

IMFのライス報道官は9月26日、「IMFでは継続中の財政協議や債務上限をめぐる討議が迅速に解決をみることに期待している」と述べました。

IMFは8月に発表した「波及効果報告書」で、2011年8月に起きたのと同様のショックが生じた場合に経済に及ぼし得る影響を定量化しました。

当時、議会は債務上限引き上げ法を期限ぎりぎりに成立させ、投資家の動揺を誘いました。

IMFは波及効果報告書で「米政策に関する不透明感が急激に高まれば(例えば、11年8月の米債務上限をめぐる与野党対立で見られた程度まで)他の地域の投資や生産が一時的に落ち込む可能性がある」とし、「米政策の不透明感に伴うショックは一時的に、そのショックが生じた年の他地域の国内総生産(GDP)を最大0.5ポイント押し下げる」と述べました。

スコット・ベイカー、ニコラス・ブルーム、スティーブン・デービスの3氏は、米政策をめぐる不透明感が2006年〜2011年の間の事例と同程度まで高まれば、国内生産が1年間で最大2.3%押し下げられ、3四半期後に民間投資が14%減り、雇用が150〜300万人削減されると推計しました。

米国の債務と財政をめぐる行き詰まりが続いた場合にどの程度の損害が生じるかについて、この推計が一定の示唆を与えるものであることは間違いありません。

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