損失を受けることで感じる心の痛みは利益の喜びよりも大きい

「学生は機種変、タダ!」
「もし満足いただけなければ全額返金いたします」

こんなキャンペーン広告を目にしたことはありませんか?

多くの人が得することよりも損することに、より大きな影響を受けます。

つまり、私たちは1万円の得よりも、1万円の損のほうを重く感じる生き物なのです。

行動経済学でノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマン氏らが行なった実験でも、人が「損失を受けることで感じる心の痛み」は「利益の喜び」よりも大きいとされています。

だから、損失が避けられると分かると、得した気持ちになり、その心の動きを利用しているのが、各種の無料キャンペーンです。




なかでも「スゴイ!」と感じたのは、アメリカのとあるデパートが展開している「5年返品無料サービス」です。

「どんな商品でも買ってから5年以内なら返品できる」なんて聞けば、気軽に買われて次から次へと返品が舞い込んできそうなものですよね?

ところが、返品可能期間を長くすればするほど、返品率は下がっていくというデータがあります。

なぜ、そうなるかというと、いつでも返せる安心感から商品を購入。

いざ月日が経つと、たとえ商品が少々気に入らなくとも「返品するのが面倒だ」という心理が働くからです。

つまり、5年間返品無料というサービスは、お客様の心の動きを先回りして「買ってもリスクはありません。無料ですから、買いやすいですよね」と囁きかけているのです。

これはリスクリバーサルと呼ばれる手法。

大きな買い物を前にしたお客が抱える「リスク」を、売る側に「逆転」させることから名付けられたものです。

買って損するのが怖い、という心理を「無料」や「返金保証」という言葉でかき消し、購入に結びつけていきます。

実際に返品されなければ、返金の必要はなく、まさに言葉の力だけで顧客の心を購買へと傾けているのです。


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