不安定なブラジルレアルとインドルピーに対する中央銀行の動き

世界通貨番付
日経通貨インデックスを構成する25通貨中、8月26日~8月30日に最も上昇したのはブラジルレアルでした。

これまで急落基調にありましたが、通貨安を阻止しようとブラジル中央銀行が600億ドル規模の為替介入策を発表した8月22日以降はレアル売りの勢いが鈍化しました。

一方、最も下落したのはインドルピーです。




原油高に伴う輸入増でインドの経常赤字が一段と拡大するとの見方からルピー売りに拍車がかかりました。

インド準備銀行(中央銀行)が新たな通貨防衛策を発表した8月28日以降はルピーを買い戻す動きも見られました。

ロイター通信はインド財務省の経済顧問、ディパク・ダスグプタ氏の発言として、インドが他の国々と協調介入について協議していると伝えましたが、ブラジル中央銀行の広報担当者は8月30日、インドやその他の新興国と為替相場への協調介入を協議してはいないことを明らかにしました。

5月初め以降、インドルピーはドルに対して20%下落しました。

インド準備銀行(中央銀行)は当初、6月と7月に政策金利を据え置き、金融緩和をやめることで対応しました。

しかし、ルピー相場が下がり続けたため、インド準備銀行は市中銀行が中央銀行から調達できる金額を制限しました。

インド経済が過去10年間で最も低い成長となる中、実質的に金利は上昇しました。

インド準備銀行の対応を受け、債券と株式は売り込まれました。

ルピー建ての債券利回りは、短期も長期も跳ね上がりました。

9月5日に就任するラジャン次期インド準備銀行総裁は、80年代に米国で当時のボルカーFRB議長が行ったと同じくらいの急激な利上げをする以外に、選択の余地はないかもしれないと一部のアナリストはみています。

インドやブラジルなど新興諸国は、国内外の問題があるため、ドルに対して自国通貨が下落しないよう苦戦しています。

ブラジル中央銀行は1週間前、為替相場の変動を抑えるために毎日、通貨スワップ取引の入札を行う措置を打ち出しました。

ブラジルのマンテガ財務相も、政府の費用を制御することを約束し、外国為替市場の沈静化を図りました。

8月30日のブラジル外国為替市場では、ブラジルレアルが軟化しました。

ブラジル中央銀行が大量に介入しましたが、月末の資金流出や為替先物の取引最終日に関連した動きに押されました。

ブラジルレアルの終値は1ドル=2.3824レアル。29日の終値は2.3729レアルでした。

ブラジル中央銀行はこの日、為替スワップ入札でまず介入し、その後2回にわたりドル信用枠入札を行いました。

取引終盤には、9月2日に為替スワップ入札を2本合計15億ドル実施すると発表しました。

レアル相場は不安定で、1ドル=2.35〜2.39レアルの値幅で推移しました。

この不安定な値動きの原因は、大半が為替先物の月末期日に関連した動きにありました。

為替先物は、毎月最終取引日の平均為替相場(Ptaxレート)に基づいて清算されます。

このため、期日を迎えると先物を買い持ちにしている投資家と売り持ちにしている投資家の間で為替相場が不安定な動きをみせます。

今月は期日が月末にもあたったため、特に不安定な値動きとなりました。

「政府は毎週金曜日にドル信用枠の入札を予定してきた。そのため、多くの企業は必要ならば信用枠を受けることができると考え、海外向けの支払を金曜日まで先送りしている。誰もがそうすると、信用枠が足りなくなることだけが問題だ。きょうはそうした事態が生じた」とオンニックス証券のトレーダー、バンデルレイ・ミュニス氏は解説しています。

「毎月最終営業日は通常、直物相場でのドル需要が高くなる。投資ファンドが持ち高を整理し、企業が海外向けの支払いに間に合わせようとするからだ」とトレーダーらは指摘しています。

さらに、米国の金利が上昇しているため世界的に投資資金が米国に回帰しており、トレーダーらはドル高・レアル安が続くと予想しています。

「ブラジル中央銀行ができることはせいぜい、レアル安圧力を緩めることだけだ。方向を変えることはできない」とアワー・ミナス証券のトレーダー、マウリシオ・ガイオティ氏は述べました。


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