モノや情報が圧倒的に少ない時代には、説得型セールスも必要とされていました。
セールスマンは、商品知識を覚え、ロールプレイングを繰り返し、商品特徴を「立て板に水のごとく」話せるよう、訓練を繰り返しました。

今はどうでしょう?
必要のない説明を繰り返すセールスに出会うとき、聞けば聞くほど買う気がなくなるのは私だけでしょうか?

どんないい話でも、伝わらなければ意味がない。
どんないい商品も、伝わらなければ意味がない。
どんなに愛があっても、伝わらなければ意味がない。

人は、物事に意味を見出すことを大切にする存在です。
かつてないほどの情報が飛び交う現代においては、伝わらないものは、そもそも覚えていません。

つまり、売れない。

売り込み、説得されて、モノを買いたい人はいない。
欲しければ並んででも買うし、欲しくなければタダでもいらない。
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ビジネス関連

働く人の顔が見えてくる

例えば飲食店の場合、外から中が見えないお店は入りづらかったりします。
逆に店員さんが元気いっぱいで親しみやすい飲み屋は「1回くらい入ってみるか」と思えるもの。
広告でも、会社の雰囲気や思いを伝えるために「働く人」を登場させることがあります。

「店員・社員の声型」は、会社が伝えたいことを、店員・社員の言葉を通して表現するキャッチコピーです。

男は難しい顔してつくるけど、女は笑いながらつくるのよ。

JAグループの新聞広告に登場するのは、見た目が悪く育ってしまった柿を、なんとかして商品化に結びつけた女性たちです。
しっとりとした食感が残る半生タイプのドライフルーツ、「柿スライス」を考案した彼女たちは、全員農家の主婦。
農作業や家事を終えた19時以降に加工をしているそうです。

キャッチコピーを見るだけで、女性たちの笑い声が聞こえてきそうな明るさと活力がありますね。
一面に並べられた橙色の柿とともに、女性たちの笑顔も輝いて見えます。
「伝えたいことを「働く人」の言葉で表現したキャッチコピー」の続きを読む »

コピーライティング

「悲しい気持ち型(本音)」は、お客様の切実な悩みや悲しい気持ちを表現したキャッチコピーのこと。
つらさ・悲しさを描くことで、その気持ちを分かち合い、一緒に問題解決に向き合える「企業・商品=最大の理解者」であることを伝えるのです。

帰る時に、泣かれると辛い。我慢されると、もっと辛い。

交通費に、宿泊費。息子の病気を心配しながら お金のことも心配している。

こちらは、子供の治療に付き添う家族のための施設、ドナルド・マクドナルド・ハウスのシリーズポスターです。
病気の子供を持つ親の「心の声」を描いたキャッチコピーが、同じ境遇にある読み手の深い共感を誘います。

「悲しい気持ち型(ユーモア)」のように、笑い飛ばして共感を得る方法もあれば、より切実なテーマは今回のように辛い本音を表現する。ネガティブな感情を表現する際は、問題の大きさや話の重さに合わせて2つを使い分けるといいかもしれません。
「一言で読み手に寄り添う友となるキャッチコピー」の続きを読む »

コピーライティング

「悲しい気持ち型」は、商品を買う前、使う前の悲しい気持ちなどをあえてユーモアを交えて表現するキャッチコピーです。

ネガティブをポジティブにとらえるのが「ポジティブ変換型」ですが、この「型」はネガティブを笑いに変える「ユーモア変換型」とも言えるかもしれません。

・授業中ずっと、黒板にガンを飛ばしている。

・いつも遠くから見てた憧れの先輩が、近くで見たらそうでもなかった。

・目が悪いだけなのに、先輩には、目つきが悪いと言われる。

目の悪さに悩む学生の嘆きをコミカルに表現したこのキャッチコピーは、コンタクトレンズ専門店、ハートアップのポスターです。

目が悪いことによる小さな悲劇を喜劇的に描くことで、笑いとともに共感を得ることができます。

「悲しい気持ち型(ユーモア)」は、キャッチコピーだけを見ると深刻な悩みに見えるものもありますが、ユーモアのあるデザイン(イラストなど)とかけあわせることで、読み手が思わず笑ってしまう親しみやすい広告となります。
「悲しい気持ち型キャッチコピー」の続きを読む »

コピーライティング

モノが少なく、品質にバラツキがあり、情報が一部の人たちのものでしかなかった20世紀という時代には、成功者は例外なく「人を動かす力(説得力)」に抜きん出ていました。

21世紀になると、モノは豊かに供給され、品質のバラツキは少なくなり、インターネット上には膨大な量の情報が飛び交っています。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、世界の情報量は、毎年2倍になっているそうです。

総務省の調査結果、世の中に出回っている全ての情報(流通情報量)の中で、実際に伝わっているであろう情報(消費情報量)の割合は、0.004%と明らかになっています。99.996%の情報がスルーされているということです。

では、どうすれば、人の心を動かす表現力を使えるようになるのでしょうか?

優れたビジネスコミュニケーションは、一流の舞台に似ています。

  • 伝えたいことを時間内にドラマティックに伝える。
  • もっと話を聞いていたい、この場にいたいと思わせる。
  • 聴き手の心が動かされる。
  • その場に一体感が生まれる。
  • いい余韻が残る。

プレゼンテーションも商談も、日常のコミュニケーションも、人に価値を伝えるために最も大切なものは、テクニックではなくハートなのです。

売り込み、説得されて、モノを買いたい人はいません。
欲しければ並んでも買いますし、欲しくなければタダでもいりません。

人を動かすには2つのアプローチがあります。
操作する(コントロールする)か、インスパイアする(感動させる)か。

私は納得して買いたいと思いますが、説得されて買いたいとは絶対に思いません。

ステルスマーケティング(通称ステマ)のような、相手に気づかれない操作もありますが、SNSやスマホがインフラとして定着し、情報の透明化が進んだ現在の環境では「裏の仕掛け」が見えやすくなっています。

その結果、自分が操作されていたことに気づき憤慨する人は、かつてないほど多くなっています。

おまけに、情報化社会は拡散のスピードが速く、テクニックの賞味期限が、恐ろしいほど短くなっています。

すぐに役に立つテクニックは、すぐに役に立たなくなるテクニックでもあるのです。

テクニックで操作されて動きたい人は少ないはずですし、インスパイアされて動きたい人は大勢います。

人と人のコミュニケーションでは、共鳴したものが伝わるというのが原則です。
そもそもコミュニケーションの語源は「共有する」ですから。

情報が頭に届いた程度では、あっという間に忘れますが、心に伝わった言葉や情報は記憶に残ります。

情報の透明化が進む世界では「裏が見えると信頼を失うもの」と「裏が見えると信頼が増すもの」に分かれていきます。

もうそろそろ、20世紀の遺物のような操作系テクニックを覚えるエネルギーと時間を、人間力と表現力を高める方向へ使い、心の時代のマインドセットへシフトしましょう。

エゴで人を動かすか?
心で人を動かすか?
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