日銀の国債保有残高は183兆円で過去最高。全体に占める保有比率18.6%

日本銀行
日銀が3月25日発表した2013年10〜12月期の資金循環統計(速報)によりますと、2013年末時点の日銀の国債保有残高は前年比58.9%増の183兆円となり、過去最高を更新しました。




国債発行残高全体に占める保有比率も18.6%に達しました。

昨年4月に始めた「異次元緩和」で大量の国債を買い続けているためですが、国債市場で日銀の存在感が大きくなりすぎると、市場の波乱要因になりかねません。

日銀は、金融機関から国債などを大量に購入して市場に資金を流し、デフレ脱却につなげる政策を採用しています。

保有比率は異次元緩和導入後に急上昇し、2013年末には、国内最大の国債の買い手である「保険」の19.6%に肉薄。

このまま買い続ければ、統計が残る1997年末以来初めて、日銀が最大の買い手になる可能性があります。

日銀の保有比率は、1998年6月末にも19.5%まで上昇しましたが、当時と比べて異なるのは、相次ぐ景気対策などで国債の発行残高が膨張し、財政が悪化していることです。

昨年末の国債残高は985兆円で、1998年末の352兆円の3倍弱まで増加。

1998年末の政府債務は国内総生産(GDP)の約1.2倍でしたが、現在は約2.3倍です。

こうした状況で日銀が国債を買い続けると、「財政赤字の穴埋め」との疑念を招き、政府や日銀への信頼を低下させかねません。

日銀以外の投資機関が売り買いできる量が減り、ちょっとした取引で金利(債券価格)が乱高下する懸念も強まります。

2008年秋から大規模な量的緩和で国債を買い続けてきた米連邦準備制度理事会(FRB)ですら、昨年末の米国債保有比率は17.9%。

SMBC日興証券の末沢豪謙・金融財政アナリストは「FRBの保有比率は早ければ年内には量的緩和の停止で減少に転じる。一方、異次元緩和が続く限り、日銀の保有比率は増加が続く」と話します。

FRBが量的緩和の縮小に踏み切ったことで、資金の流れに変調が生じて株安や円高を招くなど、市場は安定感に欠けています。

日本国債市場でより存在感を増す日銀が金融緩和策を転換する場合は、さらに難しいかじ取りを迫られそうです。


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