貿易赤字が膨らむ日本、日本国債がヘッジファンドに売られるリスク

日本国債
2011年から赤字になった貿易収支が年を追うごとに赤字が拡大し、2013年にはとうとう10兆円を超えました。

元来、日本はまさに「輸出立国」で32年間も貿易黒字を維持してきました。

貿易赤字が巨額になっても、国の国際収支を表す経常収支は2013年も辛うじて黒字を保ちました。




2月10日に財務省が発表したデータによりますと、貿易赤字が約10兆6000億円(前年比4兆8000億円の増加)になりましたが、所得収支(直接投資による配当金や証券投資に伴う債券利子など)が約16兆5000億円と1985年以降で最大になったため、経常収支は3兆3000億円の黒字になりました。

貿易収支が赤字になったのは、国内の原子力発電所がすべて停まったために液化天然ガスの輸入が増えたことが主な原因です。

また、円安になったことで輸出競争力が上がったにも関わらず、輸出の増え方が輸入に比べて小さいものでした。

輸出が増えないのは、日本企業の海外進出が進んだ結果で、所得収支が増えている1つの理由も、企業の海外進出が進んだ為です。

問題は、いつまで貿易赤字を所得収支でカバーできるかということです。

2020年ぐらいにヘッジファンドが日本国債を売る可能性がありますので、一国の国際的な収支が恒常的に赤字化することには危機感を感じます。

日本政府が抱える借金は1000兆円を超えていますし、GDP(国内総生産)の2倍を超える借金は、先進国の中では最悪の状況です。

しかし日本政府は1%を下回るような金利で借金を続けています。

海外のヘッジファンドに言わせれば、日本国債はバブルなのだといいます。

日本銀行という“最後の”買い手がいるから(銀行から巨額の国債を吸い上げている=紙幣をばらまいている)、政府は安心して国債を発行できると見ているのです。

これは日本の経常収支が黒字だからできる、というのがよく言われる理由です(経常収支と国債の発行環境との間にどれほどの関係があるかは怪しいのですが)。

少なくとも外資系のヘッジファンドが日本国債を売るタイミングと考えているのが、この経常収支が赤字になるときだといいます。

もちろん実際に赤字になるときではなく、毎月の収支を確認しながら赤字になりそうだという雰囲気だけで、売るには十分な理由になります。

ヘッジファンドが持つ日本国債が売られるとどうなるでしょうか。

それを吸収できるだけの余力が日銀にあればいいのですが、さんざん国債を買っている状況下では、巨額の国債をそう簡単に吸収できないはずです。

そうなると国債の相場が下がります。

すなわち長期金利が上がることになります。

長期金利が上がれば、もちろん景気に悪影響が出ますし、また国債相場が下がれば、国債を大量に保有する金融機関に評価損が出ます。

すでにメガバンクは国債の入れ替えを行い、相場の下落による評価損を抑えていますが、地方銀行やゆうちょ銀行はその対応が遅れているといいます。

地銀においては、評価損が大きくなれば、融資などを減らさざるを得なくなります。

いわゆる貸し渋りや貸し剥がしが起きるのです。

これが中小企業にどのような影響を与えるかは容易に想像できるでしょう。

資金繰りに困窮し、場合によっては黒字でも倒産するようなことも起きるのです。

外資系のヘッジファンドが日本国債を売り始めたら、日本政府や日銀が何をしても流れは変えられないでしょう。

かつてジョージ・ソロスとイギリス政府の間で通貨ポンドをめぐる戦いがありましたが、激しいポンド売りの流れに乗ったソロスが勝ち、イギリス政府はポンドを守り切れず変動相場制に移行しました。

おおよそ20年前、1992年のことです。

同じように日本国債を売る流れが始まれば、それを止めるのは容易ではありません。

そうならない前に、財政赤字を縮小させ、財政再建の道筋をつけておかないと、日本初のソブリンリスク(国にお金を貸しても、返済されないのではないかというリスク)という可能性もあります。

そのとき国民の生活がどのようになるのか。

それは若年失業率が極端に高いギリシャやスペインを見れば、想像できるでしょう。


カテゴリー: 国債 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。