米国で新しい100ドル紙幣が10月8日に発行されます。
当初、2011年に発行予定でしたが、2010年に印刷上の問題が発覚し、発行がずれ込んでいました。
現在、米国では政府機関の一部が閉鎖していますが、米連邦準備制度理事会(FRB)は閉鎖の対象外となっているため100ドル紙幣の発行も影響を免れました。
米国では偽造を防ぐ目的で、1ドル紙幣と2ドル紙幣を除く全紙幣のデザインが過去10年の間に刷新されています。
100ドル紙幣は1ドル紙幣に次いで流通量が多く、昨年12月31日現在のFRBの統計によりますと、1ドル紙幣の流通量は103億枚、100ドル紙幣は86億枚、20ドル紙幣は74億枚でした。
1996年に発行された現在の100ドル紙幣も引き続き利用でき、まだ当分の間は出回る見通しです。
ただし10月8日以降に銀行がFRBから受け取る100ドル紙幣はすべて新デザインの紙幣になります。
新100ドル紙幣の偽造防止対策の研究開発には10年以上が費やされています。
新100ドル紙幣には偽造防止対策が多数導入されています。
消費者や企業がより簡単に本物の米国紙幣を判別できる新しい高度な偽造防止対策
★3-Dセキュリティ リボン
新100ドル紙幣表のベルと100の図柄がある青いリボンのところを見てください。
リボンを見ながら紙幣を前後に傾けてください。
動きに伴ってベルは100に変わります。
紙幣を前後に動かすとベルと100は左右に動きます。
左右に傾けると上下に動きます。
リボンは紙幣に印刷されているのではなく織り込まれており、高度なマイクロテクノロジを使用しています。
このベルと100の動きの錯覚を作り出すには100万近いマイクロレンズが使用されています。
★インク入れ内のベル
新100ドル紙幣表の赤褐色のインク入れの中のベルを見てください。
紙幣の角度によってベルの図柄が赤褐色から緑に変わり、ベルがインク入れ内に現れたり消えたりします。
旧100ドル紙幣のデザインから継承される3つの非常に効果的な偽造防止対策
★肖像画の透かし
紙幣を光に当てると、肖像画右の空白部分にベンジャミン・フランクリンが薄く現れます。
この図柄は紙幣の両面から見えます。
★偽造防止糸
紙幣を光に当てると、肖像画の左に偽造防止糸が垂直に入っているのが見えます。
偽造防止糸に沿って「USA」の文字と数字の「100」が交互に記されているのが紙幣の両面から確認できます。
偽造防止糸は紫外線に当てるとピンクに光ります。
★100の色の変化
紙幣を傾けると紙幣表の右下隅にある「100」の数字が赤褐色から緑に変わります。
その他のデザインおよび偽造防止対策
★隆起印刷
紙幣左のベンジャミン・フランクリンの肩のところを指で上下に動かしてみてください。
肖像画の作成で使用した高度な凹版印刷による起伏の感触があるでしょう。
100ドル紙幣全体としては、従来の凸版印刷が施されており、本物の米ドル紙幣独特の感触があります。
★金色の「100」
紙幣の裏に金色で大きく「100」の数字があるところを見てください。
これは視覚障害者が紙幣の種類を特定するのに役立ちます。
★マイクロプリント
ベンジャミン フランクリンのジャケットの襟、肖像画の透かしがある空白部分の周囲、金の羽ペン沿い、および紙幣のふちには、注意深く見ると小さな文字の印刷があります。
連邦準備制度のシンボル どの紙幣にも印刷されている肖像画の左側のシンボルは、連邦準備制度全体を表しています。
左側のシリアル番号の下に記された文字と数字によって、紙幣を発行している連邦準備銀行を特定できます。
米国の主要都市には12の地区連銀と24の支店があります。
シリアル番号 紙幣の表には、11桁の文字と数字から成る固有のシリアル番号が2箇所に印刷されています。これらの固有のシリアル番号は米国連邦捜査局が偽札を判別するためのものであり、また印刷局が製造している紙幣の品質標準の管理に使用されます。
★FWマーク
新デザインの100ドル紙幣はテキサス州フォートワースとワシントンD.C.の2つの造幣局で印刷されています。
フォートワースで印刷される新100ドル紙幣の表左上隅の100の数字の右には、小さくFWと印刷されます。
FWのマークがない場合、紙幣はワシントンD.C.印刷されています。
★肖像画と絵柄
新100ドル紙幣の表には、米国の建国の父の一人であるベンジャミン フランクリンの肖像画が引き続き使用されます。
紙幣裏には独立記念館の新しい絵柄が表側ではなく裏から描かれます。
肖像画および絵柄の周囲の楕円は取り除かれ、図柄は拡大されます。
★自由のシンボル
新100ドル紙幣では、米国の自由のシンボルを示す独立宣言での名言および建国の父達が歴史的な文書の調印に使用した羽ペンが肖像画の右に描かれます。
★色
新100ドル紙幣の背景色は薄い青になります。
色により100ドル紙幣のデザインはいっそう複雑になり、紙幣によって色が異なるので紙幣を区別しやすくなります。
しかし、色は偽造で簡単に再現できてしまうため、紙幣が本物であるかどうかの判別には使用すべきではありません。