パワーポイント症候群

素晴らしいスライドを作ると、中身が無くてもあるように思えてしまう。
・・・スティーブ・ジョブズ(アップル)

パワーポイントは、プレゼンする側を楽にさせ、聞く側を混乱させる。
・・・ジェフ・ベソス(アマゾン)

他にも、フェイスブックのCOOであるシェリル・サンドバーグ、リンクトインのリード・ホフマンなど、IT界を代表する人たちが、多用されるパワーポイントに警告を発しています。

パワーポイントとは、ご存じのように、マイクロソフトのプレゼンテーションソフト。

世界中で10億台以上のコンピュータにインストールされ、1秒間に350回のプレゼンテーションが行われているといいます。

そんな人気のソフトなのに、禁止する企業が増えているとは・・・

いったい何が起こっているのでしょうか?

開始時刻が来ると部屋の照明が落ち、主役は中央に置かれたスクリーン。

話し手は脇役か黒子のように、横に置かれた演台の後ろに立つ。

パワーポイントの設定どおり、箇条書きで文章が書かれたスライドが続き、順番を間違えることはありません。

スライドを詳しく作れば作るほど、操作と順番にエネルギーが使われていきます。

途中で思いついた素敵な言葉を話すこともなく、参加者の顔を見ることもほとんどないまま「何か質問は?」でお約束の終了。

まるで患者の顔を一度も見ずに、パソコンの画面だけを見てカルテを書く医師のような、そんなプレゼンを見るたび、私は思います。

「あぁ、もったいないなぁ」

資料や論理は完璧なのに、なぜか心に伝わらず記憶に残らないプレゼンは、ほぼそのような感じです。

仕事の様々な場面でパワーポイントによるプレゼンが増えた半面、人間本来の表現力が年々低下しています。

手書きの文字を書かなくなり、いつの間にか字が下手になって、難しい漢字を書けなくなってしまったように。

準備されたスライドがあると、忘れる心配がなくて安心する、という人が多いことは知っています。

そして、忘れないように徹底的に練習する、という人が少ないことも知っています。

でも、たとえば役者が「台本があると忘れる心配がなく安心なので、舞台の上でも持たせてください」と言ったら、即降板です。

アップルでジョブズのもとで働き、刺激を受けていたプレゼン指導の第一人者、ガー・レイノルズは「パワーポイントによる死」という言葉で暗い部屋で箇条書きを多用したプレゼンを戒めています。

世界レベルのリーダーたちが「クリエイティビティを阻害する」という本質的な理由で、パワーポイントの使いすぎを危惧しています


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