空気は読むものではなく自分で創るもの

日本ではよく「空気を読む」のが良いこととして評価される風潮があります。
確かに、場の雰囲気を壊す無神経な人は遠慮したいですが、人前で話す場合は、少し工夫が必要です。
空気を読み過ぎて、萎縮してしまう人をよく見かけるからです。

話はじめは、会場も聴く姿勢になっていないので、会場の空気が固いのは当たり前と知っていないと、そこで緊張が増してしまいます。
話し上手な人はそれを知っていますから、最初からフラットにマイペースで話しはじめ、徐々に会場をつかんでいきます。
どんな有能な話し手でも、話し手の声や存在が会場になじむのに、ある程度の時間がかかるものです。

芝居は、最初の5分で、演者と観客のパワーバランスが決まります。
この時間帯に、客席の空気を読み、観客の反応を気にしている暇はありません。
全力をあげて届けたい世界を表現し、舞台という「バーチャルな空間(嘘)」を、ここは「リアルな空間(本当)」であるという暗黙の了解を観客と共有しなければなりません。

あるレストランの店長は、スタッフに言いました。

店長「レストランに来るお客様は皆、基本的に不機嫌な顔でいらっしゃる。なぜだか分かるか?」
スタッフ「???」
店長「お腹がすいているからだ。それに反応して表情を硬くするのではなく、こちらから笑顔になってお迎えしよう」

人前で話しをする場合にも、空気を創るためには、開始から数分の間は、相手の反応を気にしすぎないようにするのが鉄則です。
下りのエスカレーターを駆け上るくらいの気持ちで話します。
どこかの時点で、エスカレーターが上りに変わる瞬間がくるのを楽しみに。
誰かがうなずいたり、共感の笑顔を見せてくれたりしたときが、その切り替わりのタイミングです。

経験を積んだ話し手になると、場の空気感がサッと変わる瞬間が体感で分かります。
実際、部屋の温度が上がったりするからです。


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