一人の相手に一度きりのつもりで話す

コミュニケーションとは、誰かを操作して動かすための手段でも、誰かに情報を伝えるだけの手段でもなく、誰かと心がつながるための、人間の営みです。

言葉を発するとき、私たちは自動的に、「人称」というフレームを選択し表現しています。
簡単に言えば、一人称は「私」、二人称は「あなた」、三人称は「私とあなた以外のその他大勢」です。

ビジネスシーンでよく使われているのは「この商品の特徴は・・・」「私どもは・・・」「当社は・・・」という一人称。
目の前の一人に向けて話すときは、目の前の「あなた」へ向けた二人称。
大勢に向け話すときは「皆さん」という三人称。
カタログに書いてある言葉は、不特定多数に向けて書かれているので、通常は三人称の表現になっています。
大勢に向けて話すときにも、大切な一人一人に届くことを意識して話すと、三人称ではなく二人称になります。




現代のコミュニケーションに最も欠けていて、しかし実は最も人の心に伝わるのは「二人称」です。
たった一人へ向けて発せられる、二人称のフォーカスされたパワーが「一人×大勢」の人へ届いていきます。
一対多数でプレゼンをするときにも、一対一(one on one)を意識した「二人称プレゼン」が最も効果的に大勢に伝わります。

人間は文章を読むとき、文字を目で追いかけながら、心の中で読んでいます。
だから、一文が長いと疲れます。
文章が上から下までつながった取扱説明書などを読んでいて疲れるのは、それが原因だと思われます。

一文を適切な長さで話す、もうひとつのメリットは、論旨が分かりやすくなり、言葉にリズムが生まれることです。
リズムで読ませる典型的な言葉は、世界最短の定型詩と言われる、俳句の五七五です。
松尾芭蕉の「古池や 蛙飛びこむ 水の音」は耳に心地よく響くといわれるリズムです。
「古池に、カエルが飛び込んだら、水の音がした」と事実を述べただけの言葉のリズムとは、明らかに違うのが分かりますでしょうか。

短くリズムがよい文章を話していけば、全体の話が長くなっても、聴き手はそれを長く感じないというマジックも起こせます。
また同じコンテンツでも、接続詞を使いすぎると、話が長いと感じられてしまいますので、ご注意を。


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