国の借金は膨らんでいます。2016年12月末の国債と借入金、政府短期証券の合計残高は1066兆4234億円で、前年から21兆8330億円増えて過去最高となりました。2017年1月1日時点の総務省の人口推計(1億2686万人、概算値)で単純計算すると国民1人当たり約840万円の借金を抱えていることになります。

2016年12月末の残高の内訳をみますと、国債が全体の9割近くを占めています。安倍晋三政権は2012年末に発足して以降、当初予算ベースの新規国債の発行額を減らしてきましたが、2016年度は補正予算の編成で国債を増発しました。歴史的な低金利の環境を生かして、歳出拡大を求める声は依然根強いようです。


内閣府が1月に公表した試算では2020年度の国と地方の基礎的財政収支は8.3兆円の赤字で、昨年7月の前回試算より赤字が2.8兆円膨らみました。政府は黒字化目標を堅持する考えですが、安倍首相は1月の参院代表質問で「債務残高の国内総生産(GDP)比を中長期的に着実に引き下げていく」と述べ、債務残高のGDP比に重きを置く考えもにじませました。

財政目標の達成は困難との見方が多いのですが、野村証券の西川昌宏氏は「基礎的財政収支の目標がなくなれば、市場は財政規律が緩くなったと受け止める」と話しています。