「解糖エンジン」から「ミトコンドリアエンジン」へ。50歳からは脳より腸が喜ぶ食べ方を。

高齢者の食事
腸内細菌は消化機能だけでなく、ビタミン類を合成したり、免疫を活性化して病原菌を排除したりする働きも担っています。




さらに、幸福感をもたらすドーパミンやセロトニンといった「幸せ物質」の前駆体(ある物質が生成される前段階の物質)を合成し、脳へ送り込んでいるのも腸内細菌。

つまり、若さを保ち、病気を防ぎ、幸福感を与えてくれるのは、腸なのです。

現代人の腸内細菌は激減しており、40~50代男性のその量は、戦前の3分の1にまで落ち込んでいます。

野菜を食べなくなり、腸内細菌のエサとなる食物繊維の摂取量の減少、食品添加物やストレスによるダメージが、その原因です。

怖いのは、活性酸素。大気汚染や電磁波、ストレスで体内に活性酸素が発生すると、あらゆる細胞や腸内細菌を攻撃し、ダメージを与えてしまいます。

50代ともなれば、腸をいたわる食べ方に変えるのに適切な時期です。

なぜなら、50歳からは体を動かすためのメインエンジンが切り替わるからです。

体を動かすエンジンは2種類あり、一つが炭水化物を糖に変え、瞬発力を生む「解糖エンジン」。

もう一つは、酸素を燃料に持続力を生む「ミトコンドリアエンジン」です。

活動的な30~40代のメインは解糖エンジンで、その原料はご飯やパンなどの炭水化物。

50代を迎えると、今度は徐々にミトコンドリアエンジンにメインが切り替わります。

腸を主に動かしているのがこのミトコンドリアエンジンで、酸素を原料としています。

ところが、50歳を過ぎてからも変わらずお菓子やパンを食べていると、解糖エンジンが活発になり、ミトコンドリアエンジンがうまく回りません。

すると、取り込んだ酸素は使われないまま活性酸素になり、腸にダメージを与えます。

解糖エンジン ミトコンドリアエンジン

日本人の4大疾病のがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病のすべてに活性酸素が関係します。

中高年でこれらの病気にかかるのは、2つのエンジンを切り替えられないのが一因。

50歳を過ぎたら炭水化物類は食べないほうがいいのですが、脳は、性欲と食欲に忠実で快楽が大好きですから「おいしい」という快感が脳を興奮させ、「食べろ」と間違った命令を下します。

本当は、腸は糖が多いことを嫌がってるはずですから、脳の指令は無視して、真面目に体を正常に保つ腸にこそ、従うべきなのです。

腸の指令に従うための大前提は、流す前に便をよく観察すること。

便の80%は水分で、残りのうち3分の1は腸内細菌、3分の1ははがれた腸細胞で、3分の1は食べたもののかすです。

腸がよく働いている人ほど腸内細菌が多く、食物繊維が多いため便は大きくなります。

また、臭いが少なく、黄金色で練り歯磨きくらいの硬さがベスト。

それがスポーンと出たら、腸からの良い便りです。

逆に便が小さく、臭いがきつくて色も黒いようなら、腸内細菌がピンチの知らせ。

食物繊維が豊富な野菜や果物、乳酸菌が豊富な納豆や味噌をせっせと食べましょう。

特に色の濃い野菜は活性酸素を除去する抗酸化物質、フィトケミカルが豊富ですから、一石二鳥です。

楽しく食べると免疫力が上がりますから、好きな人と気分よく食事することも、腸にとって大切です。

脂肪を燃焼させる細胞を活性化し、太りにくくなることも分かっています。

中高年以降はたんぱく質やコレステロールが不足しがちになりますので、50代を過ぎたら週2回は肉を食べましょう。

たんぱく質を取らないと、それを材料とするホルモンの分泌も悪くなります。

酸素を取り込みながらゆっくりとした運動を行ったり、体を温めることはミトコンドリアエンジンを活性化させ、腸も喜びます。

お酒は飲める人なら1日2合(すぐに赤くなる人は飲んではダメ)、たばこは1日5本程度であれば、ストレスを解消して免疫力を上げるというデータもあります。

免疫力には腸が7割、気持ちが3割関係しますから、好きなことをしている人のほうがずっと長生きのようです。

泥まみれになって遊んだ子供は丈夫で、風邪をひきにくいものです。

大人も、衛生的にはある程度おおらかなほうが腸にとってはいいのです。

O-157に感染して重症化する人、軽い下痢で済む人の違いは、腸内細菌。

普段から腸に雑多な菌を入れていれば、腸内細菌が鍛えられて大事に至りません。

インフルエンザやノロウイルスが猛威を振るい、花粉症やアトピーが増えた原因は、行き過ぎた清潔志向が免疫を低下させているためです。


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