再来年、日本の経常収支が赤字になり国債を買い支えられなくなる?

貿易赤字
所得収支というのは、日本から海外に投資した分の儲けと、海外から日本に投資した分の支払いの差を表すもので、これがプラスになっていれば黒字、マイナスなら赤字ということになります。




ここでいう投資というのは、債券や株式などを売買する証券投資と、日本の企業が海外で事業を展開したり、海外の企業が日本で事業を展開したりする直接投資があり、それらを合算したものが所得収支となります。

次に貿易収支ですが、これは読んで字のごとく、貿易の輸出入の収支を表したもので、輸出が輸入を上回っていれば黒字になり、反対に輸入のほうが輸出より多くなれば赤字になります。

最後の経常収支は、先程、説明した所得収支と貿易収支を合算してものになります。

つまり、経常収支が黒字ならお金が日本に入ってきている、逆に赤字ならお金が日本から出ていってしまっている、ということです。

国際収支

日本の場合、所得収支に関しては、ずっと黒字が続いています。

一方の貿易収支ですが、これも2010年までは、ずっと黒字だったのですが、2011年から赤字に転じてしまいました。

理由は、東日本大震災で福島第一原子力発電所が事故を起こしたことをきっかけに、国内の原子力発電所のほとんどが運転を休止せざるを得なくなり、代わりのエネルギーとしてLNG(液化天然ガス)の輸入が大量に増えたことです。

震災前のLNGの輸入金額は年間3兆円くらいだったのですが、2012年ではそれが6兆円と2倍に膨れ上がっています。

2012年の日本の貿易赤字は6.9兆円なので、いかにLNGの輸入増が貿易赤字を拡大させたか、ご理解いただけるかと思います。

実は、LNGのほかにもう1つ、日本の貿易収支が赤字になってしまった原因があります。

スマートフォンです。

スマートフォンを含む通信機器だけで、2012年度は年間2.2兆円も輸入しているのです。

このように、貿易収支が赤字になってしまった結果、2012年の日本の経常収支は5兆円を切る水準にまで低下してしまいました。

直近のピークである2007年と比べると、なんと5分の1にまで落ち込んでしまっているのです。

つまりそれだけ、国内に入ってくるお金が減ってきているのです。

そして、このことを理由に「再来年には日本は経常収支も赤字になって、国債を買い支える資金が減り、財政が破綻する」という極端な意見が現れているのです。

ただし、私はこのままの状態で貿易赤字が続いても、経常収支が早期に赤字になるとは考えていません。

理由は、アベノミクスによって円安が進んだことにあります。

円安になると輸入コストが増えて赤字幅を広げる要因になりますが、一方で輸出産業の競争力を上げることにも、また産業の空洞化を食い止めることにもつながります。

さらに、円安になると所得収支の受け取りも膨らみます。

その結果、日本の輸出も徐々に勢いを取り戻し、経常収支も黒字を維持していくのではないかと見ているのです。


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