1年以内の短期国債では海外投資家が2013年に初めて最大保有者に

海外投資家
銀行など国内投資家の日本国債保有は減る一方、日銀の保有は200兆円に迫り、発行残高の約2割と突出しています。

1年以内の短期国債(国庫短期証券)では海外投資家が2013年に初めて最大保有者になりました。




金利が低位安定してきた日本国債ですが、需給の構造変化が続けば、将来の金利上昇など波乱の芽となる可能性もあります。

日銀の国債保有残高は3月10日時点で199兆円。

これは2013年4月から長期国債を大量に買う質的・量的金融緩和を続けた結果です。

足元の10年物国債の金利は0.6%台。

日本と同様、大規模緩和を実施してきた米国(2.6%台)よりはるかに低く、企業や個人が低利でローンを組める環境です。

これまで日本国債の主な保有者だった金融機関は保有を減らしています。

最大の保有者だった日本郵政の保有残高は2013年末時点で約185兆円。

ピークの約5年前から40兆円ほど減りました。

傘下のゆうちょ銀行の預金が減り、運用に回す資金も減少しました。

民間銀行もメガバンク中心に1年前より国債保有を減らしました。

120兆円の公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国債中心の運用を見直し、株式などの比率を高める方針です。

短期国債の保有者割合

日本は9割以上の国債を国内で消化し、海外に依存しないと言われてきました。

今も1年超の長期国債では海外勢が保有する比率は4%にすぎません。

しかし、発行残高162兆円の短期国債に限れば、2013年9月末時点で45兆円と3割近くを海外勢が持ちます。

2008年末には19%で国内銀行など(38%)の半分以下でしたが、2008年の金融危機後に資金が流入し、5年間で10ポイント急増。

2013年に銀行を抜き、最大保有者になりました。

日米中銀の国債保有割合

国債先物取引での海外投資家は短期国債以上に存在感があります。

売買に占める海外投資家の割合は2013年に43.8%と前年から3.9ポイント上昇し、過去最高になりました。

ヘッジファンドが短期売買を繰り返し、シェアを高めています。

3月13日には日銀が国債買い入れオペで残存期間10年超の買い入れ額を3月7日のオペから100億円減額。

需給の悪化が嫌気され、直後に先物相場が急落する場面もありました。

将来の金利上昇に対する警戒感が海外投資家に根強くあります。

海外勢が懸念するのは日本の経常収支の悪化です。

輸入の急増でここ数カ月は経常赤字。

経常黒字で稼いだ国内の貯蓄マネーが日本国債を買う構図は揺らぐ気配があります。

足元の金利は日銀の買い入れによって低く抑え込まれていますが、いずれ終わります。

日銀の大規模買い入れというアンカーが外れることで、金利が跳ね上がる異変を、市場参加者は頭の片隅で意識しています。

何かの弾みで海外投資家が一斉に売りに回ることがあれば、先物主導で国債が売られ、金利が上昇するリスクをはらんでいます。


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