日銀の国債買い支えは財政ファイナンスの領域に事実上突入している

日本国債
第2次世界大戦中に、FRBは国債の買い支え政策を開始しました。

短期国債金利の上限を0.375%、長期国債金利の上限を2.5%にペッグ(固定)するために買いオペを実施して、米政府の軍事費調達コストが上昇しないように協力したのです。




しかし終戦後、インフレ率が上昇するにつれ、FRBは国債の買い支え政策から離脱しようとしました。

エクルズFRB理事と政府・与党のパットナム下院議員が議論の応酬をした1951年1月以降、FRBの中にスパイがいたり、情報が漏れたりと、FRBと財務省の泥仕合が展開されました。

国債買い支え政策を行っていた頃、FRBが保有した国債残高(短期国債を含む)の市場性国債発行残高全体に対する比率は12~15%でした。

しかし、2013年8月時点で日銀はこれを超える政策を行っています。

保有する国債残高(短期国債を含む)の市場性国債発行残高全体に対する比率は17%を超えています。

今後、その比率はまだまだ上昇していきます。

日銀は量的異次元緩和政策の下で、月間7兆円強という凄まじい額の長期国債を市場から購入しています。

これは、財務省が市場で毎月発行する国債の約4分の3に相当します。

現在のFRBが大規模資産購入策(いわゆる量的緩和策=QE)第3弾で購入している国債は発行額の28%なので、日銀の購入額は、これをも遥かに超えています。

日銀が保有する国債の残高は年間約50兆円増加していきます。

2013年度に政府が財政赤字を埋めるために新規に発行する国債は40数兆円です。

財政ファイナンスの領域に事実上突入しているといえます。

この政策が開始された今年(2013年)4月上旬から5月中旬にかけて、国債市場は大荒れとなりました。

市場参加者の予想を上回る衝撃的な緩和策であったため長期金利の落ち着きどころが見えなくなったこと、一部で予想されていた超過準備の付利(利子を払うこと)引き下げ行われなかったこと等々により、市場のボラティリティ(価格変動率)が跳ね上がりました。

日本の国債市場は参加者の多様性に欠けています。

国内勢が圧倒的ゆえに、大半の参加者が同じリスク管理の下にあります。

国債の価格(金利)がひとたび暴れ始めると、それは「危険な資産」と見なされ、金融機関が追加購入することは難しくなります。


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