「事実上の財政ファイナンス」と批判される日銀の国債引き受け

日本国債
国が発行した国債を中央銀行が直接引き受ける「財政ファイナンス」は、金融市場における“麻薬”と例えられることがあります。




一旦、踏み入れていまうと後戻りができず、最後には身を滅ぼすことになるからです。

中央銀行が国債の直接引き受けなどによって、政府への資金供与を始めてしまうと、その国の政府の財政規律を失わせ、通貨の増発に歯止めが利かなくなってしまい、将来において悪性のインフレを招く恐れが高まると言われています。

それゆえに、日本銀行による国債の直接引き受けは禁じ手とされ、財政法第5条によって原則禁止されています。

他の先進主要国も同様に中央銀行による政府への信用供与を厳しく制限しています。

異次元の金融緩和を軸としたアベノミクスでも、国債の直接引き受けまでには踏み込みませんでした。

ただ、国債の新規発行のうち、実に7割を日銀が市場から買い入れることが打ち出され、「事実上の財政ファイナンス」との批判も出ています。

一方で、デフレ脱却の切り札として、日銀引き受けを容認する意見が一部にあるのも確かです。

その根拠となるのが高橋財政です。

80年前、当時の高橋是清大蔵大臣が日銀による国債引き受けに踏み切っていて、結果的に金利は下がって円安が進み、景気回復に成功しています。

しかし、『開け!是清の警告』の著者である金融アナリストの久保田博幸氏は「高橋財政時には、銀行が組成するシンジケート団による国債引き受けが困難になっていて、日銀の国債引き受けによる発行を選択せざるを得なかった」と当時の時代背景を説明しています。

さらにその上で、「日銀が政府の御用機関のようになってしまったことで放漫財政を許し、戦争遂行のための財政拡大を招いた」と警鐘を鳴らしています。


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