ゆうちょ銀行の上場と国債のリスクウエート見直しが国債暴落につながる

日本国債
今年(2013年)6月に日本郵政の社長に就任した西室泰三氏は、日本郵政の上場時期を、それまでの計画より半年早い2015年春にすると同時に、ゆうちょ銀行の上場も早期に進める考えを明確にしました。




ゆうちょ銀行は、138兆円という桁外れの国債残高を抱えていますので、一部のトレーダーたちは、2015年頃に向け、金利高騰(国債暴落)の導火線が伸びていると恐れています。

上場時、国が投資家に株を高く買ってもらおうと思えば、むろん、収益の増強が不可欠になります。

ゆうちょ銀行は貯金残高こそ176兆円と、メガバンク3行でトップの三菱東京UFJ銀行より64兆円も多いのですが、資産運用の7割を低利の国債に頼っているため、最終利益は、そのわずか6割強しかありません。

9月、西室社長は講演で、国債の残高を「大幅に減らすことは一切考えていない」と語っていますが、もし上場に向けて決算に“お化粧”をしようと考えれば、益出しするため、一部の国債を一時的に売却してくる可能性があるわけです。

ゆうちょ銀行は住宅ローンの自前展開など、新規業務への参入を目指しているものの、許可が下りるまでの道のりは遠いです。

たとえ許可が下りたところで、利益を底上げできるほど急激に拡大するのは難しいでしょう。

とすれば、この心配もあるいは杞憂に終わらないかもしれません。

さらに、国債の価格暴落のトリガーは、国内だけでなく海外からも引かれかねません。

銀行関係者の間では最近、海外にある巨大な爆弾の存在がささやかれ始めています。

その正体とは、「国債のリスクウエート」の見直し議論です。

ここでは投資家の自国債におけるリスクウエートの見直しが対象です。

具体的には、財政危機に見舞われ、自国債のリスクが急上昇した場合にも、それを大量に保有する銀行の健全性を担保するため、現状、ゼロとされている自国債のリスクウエートを引き上げ、危険に備えようというものです。

これは欧州債務危機でギリシャ国債がデフォルト(債務不履行)した際にも行われた議論です。

当時は適用されませんでしたが、ユーロ圏の銀行監督を来年後半から欧州中央銀行(ECB)で一元化して行うことをきっかけに、またしても復活する可能性があるといいます。

日本の借金は、GDP(国内総生産)比200%超と莫大なものです。

デフォルト前のギリシャですら170%であり、借金大国という連想から、この議論の火の粉が日本に降りかかっても不思議ではありません。

そうなれば、銀行は大量に国債を持てなくなります。

金利が上昇したといっても1%にも満たない超低金利時代は終りを告げ、国債暴落へのカウントダウンが始まります。

銀行に預金を積み上げることで預金者は皆、間接的に国債に投資をしています。

しかし、国債というムラの外に住む預金者の大半は、こうした国債暴落のトリガーの存在に気づいていません。

それがこれまで金利を低位安定させ、国債市場の平和を守っていたことは事実です。

しかしその結果、金利が国の経済状況に応じて動かなくなっていることを国民は知っておく必要があるでしょう。


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