国債暴落、財政破綻の可能性について書かれた最新本5冊の概要

日本国債
国債が題材の最新本「国債暴落」、「日本のソブリンリスク」、「ハイブリッド・バブル」、「日本財政が破綻するとき」、「世界ソブリンバブル」の5冊を選んで内容を比較しました。




国債暴落

【著者名】 高田 創

【出版社名】 中央公論新社

【出版年月】 2013年9月

【著者の経歴】

みずほ総合研究所調査本部長・チーフエコノミスト。
日本興業銀行出身で国債市場分析の重鎮

【ポイント】 暴落懸念はあるが、簡単には暴落しない

・暴落の可能性は依然テールリスク。

・国債暴落という考えはややバイアスがかかり過ぎている。

・2013年以降、時として金利が上昇(国債価格は下落)しやすい状態にあり、国債暴落懸念は引き続き強いが、暴落懸念の根拠とされる需給問題、国債という商品への不安、また投資家がリスクを取れない事態には当面なりにくい。

・企業の過剰債務の削減は続く可能性が高く、増発される国債を買うお金が市場には引き続きある。

・国債の投資家が、財政リスクに対する超過的なプレミアムを要求する必要はまだない。

日本のソブリンリスク

【著作名】 土屋剛俊、森田長太郎

【出版社名】 東洋経済新報社

【出版年月】 2011年6月

【著者の経歴】

共にバークレイズ証券出身で、土屋氏はクレジットアナリスト。
森田氏は債券ストラテジスト

【ポイント】 ステレオタイプの破綻説を疑問視

・デフレ脱却が過剰貯蓄の縮小を招き、財政破綻リスクを高める可能性がある。

・「経常収支赤字化→実質金利上昇→財政リスク拡大」というエコノミストの間の合意には、実は検討すべきポイントが相当多くある。

・日本の財政が極めて深刻である事実を否定するつもりは毛頭ないが、日本の事例は、ギリシャや韓国の危機とは明らかに異なり、「Too big to fail」の国家版。

・狭義のデフォルトの発生確率は12%程度、ハイパーインフレの確率は7%程度。財政はさらに悪化するが破綻には至らない確率が56%程度。

ハイブリッド・バブル

【著者名】 小幡 績

【出版社名】 ダイヤモンド社

【出版年月】 2013年5月

【著者の経歴】

慶應義塾大学大学院の准教授。
元大蔵官僚で、ハーバード大学経済学博士

【ポイント】 本当のリスクはバブルなのに暴落しないこと

・日本国債は暴落が起きにくいハイブリッド・バブルという状況にあった。

・ハイブリッド・バブルでは、ファンダメンタリスト(メガバンクなど)と限定合理的投資家(信用金庫・信用組合など)の2つのメカニズムが安定的に均衡し、ファンダメンタルズで説明できない高い国債価格が長期間安定的に続く。

・国債市場の構造的なゆがみは膨らみ続け、金融機関、金融市場、日本経済の「安楽死」をもたらす。

・2013年4月4日に「日銀おひとりさまバブル」が発生し、日本国債バブルの最終局面が始まった。

日本財政が破綻するとき

【著者名】 天達泰章

【出版社名】 日本経済新聞出版社

【出版年月】 2013年6月

【著者の経歴】

日本銀行出身の若手内閣府エコノミスト。
「経済財政白書」の執筆者の1人

【ポイント】 財政が破綻するまでの猶予は10年程度

・財政赤字の穴埋めを外国人投資家に頼ることで財政破綻が生じる。

・日本の財政リスクが顕在化しなかったのは、家計や企業の超過貯蓄が銀行や保険会社などを通じて、日本の財政赤字を穴埋めしてきたから。さらに国債利回りが低水準で利払い費の増加が抑えられた点や、租税負担率の引き上げ余地が大きい点も挙げられる。

・ストック(政府債務残高が家計と企業の金融資産残高を上回る)とフロー(経常収支の赤字化)の両面から見て、財政破綻が訪れるのは2020年~2025年頃になる。

世界ソブリンバブル

【著者名】 白川浩道

【出版社名】 朝日新聞出版

【出版年月】 2011年1月

【著者の経歴】

クレディスイス証券チーフエコノミスト。
元日銀マンでOECD(経済協力開発機構)にも出向

【ポイント】 国債バブル崩壊は2024年~2025年頃

・日本の財政破綻リスクは大きい。

・日米欧で国債バブル(財政破綻リスクが高まっているにもかかわらず、長期金利が低位安定を続けるミスマッチ)が発生している。

・国債バブル崩壊のトリガー(誘因)として最も有力なのは、日米の貯蓄の海外への流出。国内預金が流出すれば、銀行は国債を売却せざるを得ず、バブルが崩壊する。

・国債バブル崩壊の目安は、政府の負債のGDP比率が、民間企業と家計の資産を超えたとき。日本の場合、名目GDP成長率がマイナス1%で2024年~2025年に訪れる。


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