日本の純債務残高は高いのに国債が暴落しなかった理由

日本国債
日本はバブル経済の崩壊以降、税金による収入が減少傾向にあるにもかかわらず、政治家たちは「景気回復」という甘い言葉をささやき、公共事業などの支出を際限なく膨らませてきました。




支出(一般会計歳出)と収入(税収)の差が広がっていく様は、折れ線グラフで表すと「ワニの口」に例えられ縮まる気配はまだありません。

財政赤字

そのため、公共事業や社会保障などの経費を、毎年の税収でどの程度まかなえているかを示す「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」は、1992年度から20年以上赤字の状態です。

政治の無策に、高齢者による社会保障費の増大も加わり、日本は1000兆円超という途方も無い借金を抱えています。

政府が抱える借金から、金融資産を差し引いた正味の借金となる「純債務残高」を見ても、その深刻さが伝わってきます。

国際通貨基金(IMF)の調査によりますと、国内総生産(GDP)に対する純債務残高の比率で、日本は(比較可能な国・地域の中で)財政破綻したギリシャに次いで2位です。

米国や財政危機が一時騒がれたイタリアと比べても、突出して高いのです。

純債務残高のGDP比ランキング(2013年)

1位 ギリシャ (176%)
2位 日本 (143%)
3位 レバノン (136%)
4位 グレナダ (116%)
5位 ポルトガル (115%)
6位 アイルランド (106%)
7位 イタリア (106%)
8位 カーボベルデ (100%)
9位 アンティグア・バーブーダ (92%)
10位 米国 (89%)

政府が抱える借金から、金融資産を差し引いたものが「純債務残高」

IMFの推計では、2017年には財政破綻したギリシャを抜いて、日本が世界1位になる見通しです。
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そうした危機的な状況にもかかわらず、国の借金となる国債が暴落せず、私たちが平穏に暮らすことができているのは、ひとえに、その借金の大半を日本国内で消化してきたからです。

「身内」で借金を抱え込むことで価格暴落を何とか回避し、日本の財政に向ける海外勢の厳しい目線に、さらされずに済んでいたのです。

日本国債の国内保有比率は9割超にのぼり、海外勢の保有分は1割も満たしません。

2012年12月末のデータでは、米国の国内保有比率は52%、英国は68%、ドイツは41%、フランスは62%ですから、日本国債の国内保有比率は突出して高いです。

他国に比べても圧倒的に国内保有が多いのは、日本の「預金大好き」という特有の文化」が大きく作用しています。

特に、2008年の金融危機以降は国民が投資に消極的になり、銀行の預金が急増しました。

日本の銀行は、その有り余った預金を、安全性の高い国債に大量に振り向けてきたことで、異常ともいえる高い国内保有比率を保ってきたのです。


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