20年債などの超長期債の増発を検討しはじめた財務省

日本国債
10月2日、財務省は「国の債務管理の在り方に関する懇談会」の再開を発表しました。

狙いは、発行国債の年限の長期化にあります。




今後、金利が上昇しても借り換えの際に利払い費が増えないように、金利の低い今のうちに超長期債(20年債など)を発行しておきたい、というのです。

しかし、これもまたおかしな話です。

将来、金利が上がってファイナンスができないとなれば、本来は発行額を減らすのが筋だからです。

理財局もそれは十分理解しています。

ただ、彼らの役目はあくまで利払い費を抑えることにあります。

財政収支を管轄するのは主計局ですし、主計局とて政治家をコントロールできるわけでは
ありません。

ただ超長期債の増発を考えるなら、より本質的な議論が必要です。

20年や30年というタイムスパンは、もはや誰も予想できない世界ですから、超長期債の価格は市場の予想よりも需要と供給が決めることになります。

必然的に、それに対応する生命保険会社や年金基金の動向が重要な要素となります。

言い換えれば、生保商品や年金など、個人が超長期に積み立てている資産を広く見渡す必要があるわけです。

これには正確な試算があるわけではありませんが、生保・年金などによる超長期債の安定需要は、すでに現在の超長期債の発行ペースと一致しているか、少し発行が上回っている、というのが国債市場の一致した見方です。

ですが、少なくとも財務省がそうした観点で独自調査した上で、超長期債の増発を検討している様子はありません。

真の安定を目指すなら、入札で売れるかどうか、あるいは利払い費の増加といった「発行体の論理」ばかりにとらわれず、投資家の“カネの質”を真摯に検証すべきです。

理財局が今後、入札至上主義の国債管理政策から脱却できるか、注視していく必要があります。


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