黒田日銀バズーカが財務省の国債安定消化“談合”相場を破壊した

日本国債
1000兆円もの借金を抱え、日本国債は何度も暴落説がささやかれてきました。

それでも「国内には豊富な個人金融資産があるから大丈夫」と楽観視する意見が多く、実際に暴落も起きていません。




ですが、実は日本の国債市場には、半ば「市場」とは言いがたい、閉鎖的な“談合”とも呼べるムラ社会が定着していました。

だからこそ、安定が保たれ、暴落が起きなかったともいえます。

談合にも様々な形があります。

たとえば、売れ残れば国債暴落のトリガーとされる国債の入札。

ここでは「メガバンクと財務省の密な関係」が存在し、売れ残りが出にくい仕組みになっています。

日銀もまた、銀行・証券会社とコミュニケーションを取りながら、「きめ細かい国債買いオペ」を実施してきました。

財務省の職人芸的な「国債発行計画」もあって、投資家同士では、決して国債の取り合いになることもありませんでした。

特に生保や年金基金、ゆうちょ銀行といったプレーヤーに限っていえば、安定的に買う量が決まっており、「いわば配給制度に近い」と揶揄(やゆ)されるほどです。

かくして内輪の受給でほぼ決まるのが、日本国債ムラの特徴なのです。

そこでは投資家の売買サイズに基づく「暗黙のヒエラルキー(財務省を頂点とするムラの序列)」がおのずと形成されています。

暗黙のヒエラルキーの序列は、上から順に(1回当たりの売買サイズ)
「財務省」「メガバンク(1000億~2000億円)」「生保・ゆうちょ・年金(500億~10。00億円)」「地銀(10億~100億円)」「信金(数億~数十億)」「証券会社(業者、ブローカー)」とピラミッドの形を作っています。

メガバンクでも財務省への従い方には違いがあります。

三菱東京UFJ銀行は財務省と共に歩みます。

みずほ銀行は財務省に地味に従います。

三井住友銀行は財務省への従い方を合理的に判断します。

とりわけ投資家の頂点に立つメガバンクと財務省・日銀との“鉄の談合トライアングル”で話が通じていれば、安定が崩れることはありませんでした。

逆に言えば、こうしたメガバンクと財務省の“蜜月時代”が生んだ安定は、プレーヤーたちの考える機能を失わせた側面も否めません。

乱高下を嫌がる財務省・日銀の顔色をうかがう“良い子ちゃん”な投資家ばかりで、国債市場では相場らしさが徐々に排除されていきました。

そんな中、長らく続いてきたムラ社会の均衡を突如破壊したのが、黒田東彦総裁率いる日銀でした。

国債価格が2013年4月から5月にかけて乱高下した際、日銀は初めて財務省と同様に市場参加者を集めた懇親会を開催しました。

「黒田さんは よそ者だから、ムラ社会を理解していなかったんですよ」と日銀が国債を買い過ぎたことで均衡が崩れたことに参加者たちから不満が噴出しました。


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