巨額の日本国債が発行されても暴落しなかった理由

日本国債
巷には様々な国債暴落論が溢れていますが、その多くはマクロ経済分析に基づくものです。

しかし、日本の国債市場は、財務省・日本銀行・大手銀行の“あうんの呼吸”によって安定を保ってきたといっても過言ではありません。




「市場」とは言いがたいムラ社会的な色の濃い日本の国債市場には、そう簡単には崩壊しない、見えないシステムが内在しています。

逆に言えば、市場メカニズムによって効率的に動いてきたわけではなく、いわば“談合”が続いてきた世界です。

国債ムラのルールはこれまで国債の安定消化を支えてきました。

一方で、この談合システムが抱える最大の問題は、経済の“体温”である金利というシグナルを、国債市場が正しく発していない可能性が高い、ということです。

いうなれば、国債市場における談合とは、経済の“体温計”を意図的に破壊している状態です。

国家財政の状況を鑑みれば、本当はとうに高熱状態(高金利)にあるかもしれないのに、平熱だと言い聞かせ、無理をして走り続けているようなものです。

そこに潜む本当のリスクとは、徐々に金利が上がるといった予兆もなく、ある日金利がワープして跳ね上がる“突然死”です。

日本の借金残高は1000兆円を超えるまでに膨れ上がっています。

これが企業ならば、倒産するしか道は残されていません。

日本も同様に、国家の信用を象徴する国債が、いつ暴落してもおかしくないと指摘され続けてきました。

それでも暴落はしていません。なぜでしょうか?

日本は経常収支が黒字で、対外純資産も世界一だから安心だと言われています。

暴落しない最大の理由は「あなたが支えているからです」

そう言われると驚く人も多いでしょう。

1590兆円に上る日本の個人金融資産の多くは預金や保険といった形に姿を変えています。

これが銀行や保険会社を通じて、国債に投資されており、あなたのお金が間接的に国債を買い支えているのです。

個人が国債を直接保有する割合は約3%ですが、間接保有も含めると5割を超すといわれます。

どんなに巨額の国債が発行されようが、国内の潤沢な個人マネーが預金などに流れている限り、国債は円滑に発行され、暴落することはないのです。

また、長年続く超低金利のおかげで、国債の利払い費の増加が最低限に抑えられ、借金残高の急増を防いでいた側面もあります。

さらに言えば、日本の低い租税負担率、つまり、いざとなれば増税できる点が財政再建の“切り札”として評価され、国債暴落の防波堤となってきました。

しかし、4月4日に日本銀行の黒田東彦総裁が打ち出した、異次元の金融緩和が大きな転換期となります。

日銀が新規に発行される国債のうち、70%を買い上げることになったため、流通市場での国債の取引が激減。

国債価格の変動リスクが急上昇して、金利急騰(国債暴落)リスクが、にわかに高まる非常事態に陥っています。

そんな状況で「金利の急低下」「異次元緩和の出口」「ゆうちょの上場」「リスク基準の見直し」という暴落トリガーが1つでも引かれたら、いつ暴落が起こっても不思議ではありません。


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