「緊縮財政」とは何でしょうか?

ギリシャのデモ
一般的に、財政破綻を回避するための対策としては、次の3つの手立てが考えられます。
① 緊縮財政
② マネタイゼーション
③ IMF支援

そして、このいずれの手立ても打たなかったり、不十分だったりすると、
④ 債務再編(=財政破綻)を迎えることになります。




では、まず、①「緊縮財政」とは何でしょうか?

これは、財政赤字や政府債務残高(国の借金)を減らすため、歳入(収入)を増やし、歳出(支出)を削減することです。

具体的には、増税をしたり、国の資産を売却したりして収入を増やす一方、公共投資や公共サービスを減らすことによって支出を減らします。

家計に置き換えて考えると、今まで以上に残業をしたり、アルバイトをしたりして収入を増やす反面、節約して出費を減らし、家計の赤字を縮小、または無くすイメージです。

このような緊縮財政を行うと、国の資金繰りは確実に改善されるので、財政を健全化させるための王道手段として捉えることができます。

しかし、緊縮財政を実行するにあたっては、大きなハードルがあります。

緊縮財政下では、増税などの負担を国民に強いる一方で、公共サービスが低下することになるので、国民の反感を招き、場合によってはデモや暴動に発展してしまうことがあるのです。

デモや暴動が起きれば、経済活動が、より停滞することも考えられますし、そもそも統治力の弱い国では緊縮財政を実施すること自体が困難な場合も考えられるのです。

また、緊縮財政を行うということは、景気にブレーキをかけることになるので、過度に行うと経済にとっては逆効果になる点にも注意が必要です。

最近の例でいうと、欧州債務危機の際、PIIGS諸国(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)では、当初、緊縮財政一辺倒でした。

その結果、各地でデモが頻発するなど緊張が高まり、経済活動が停滞し、より借金が増えてしまって、国債の金利が高止まりしてしまいました。

そこで、ある段階から緊縮財政を緩め、経済成長にも目配りをしたところ、各国とも景気に若干の明るさが戻り、国債の金利が下がるという効果が表れたのです。

緊縮財政というのは、何も財政危機が表面化してからのみ実施すべきものではなく、実は、景気がいいときにこそ、より大きな効果を発揮します。

そのいい例が、最近のアメリカです。

アメリカは、2008年のリーマンショックから、いち早く立ち直り、先進国の中でも経済が好調ですが、2013年の3月から50億ドル(約50兆円)規模の自動的な歳出削減プログラムに踏み切りました。

このように大規模な緊縮財政に踏み切ったにもかかわらず、アメリカでは国民の不満の声はそれほど上がってきません。

これは、緊縮財政で国民が感じる痛み以上に、株価や不動産など資産の価値が上がって生じるプラスのほうが大きく、マイナス分を帳消しにしているからなのです。


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