平成25年 厚生労働白書  結婚に関する意識 (6)

結婚
【収入面での課題】

次に、結婚するのに「適当な相手」とめぐり会ったと仮定した場合、何が障害となるのだろうか。




「1年以内に結婚することとなった場合、何か障害になることはあるか」と尋ねたところ、男女とも約7割が「障害がある」と回答している。

さらに、その障害の内容については、男女とも4割強の者が「結婚資金(挙式や新生活の準備のための費用)」を挙げており、他の項目と比べて突出して多い。

「結婚資金」という障害は、バブル景気の頃(1987 年:第9回調査)でも、同様に首位を占めているため、「結婚資金」が結婚に際して短期的に最大のものとなることは、昨今の景気低迷によるものだけではなく、時代によらない共通の課題であると考えられる。

次に、就業形態の違いと結婚願望の関係について見たところ、非正規雇用である場合は、正規雇用の場合に比べて、結婚願望は低くなっている。

また、無職の場合には、更に結婚願望が低い。

例えば、男性が無職だと、結婚を「絶対したい」と思う割合が正規雇用である場合に比べて10ポイント以上低い。

一方で、若年層の非正規雇用の労働者は増加している。

現在、15~24歳(在学中を除く)の男性の約4分の1は非正規雇用の労働者として働いており、25~34 歳の男性でも非正規雇用率は15.3%にのぼる。

さらに、20歳代の正規雇用の労働者と非正規雇用の労働者の年収を比較すると、いずれの年齢区分でも正規雇用の労働者の年収の方が多くなっている。

結婚3年以内の既婚者と未婚者を対象にした調査で、年収別に男性の既婚率をみると、年収の増加に伴い、既婚率はおおむね上昇していく。

既婚率は、年収300万円未満では1割に満たないが、300万円以上400万円未満では25%を超えており、年収300万円を境に大きな差が存在している。

一方で、男性の20歳代の非正規雇用の労働者の年収は300万円に満たず、男性の20歳代の非正規雇用の労働者の大半は未婚ということが容易に想像がつく。

【女性が働くことについては肯定的】

「男女の共同参画に関する世論調査」(内閣府)によると、家庭生活について、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきであるか」と尋ねたところ、「賛成」とする者の割合(51.6%)が、「反対」とする者の割合(45.1%)を上回る結果となった。

若者の保守化という傾向で説明されることもあるが、若者の間では結婚した女性が職業を持つことに対して否定的な意識が広がっているのだろうか。

女性が職業を持つことについての考え方を尋ねた結果、「子どもができてもずっと職業を続ける方がいい」と「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」を合計した割合はここ数年約8割弱の水準で推移しており、子どもができても女性が就業することについては、肯定的な考え方が多いと言える。

【結婚後も女性には仕事をして欲しいという意識は高まっている】

ここでは、本来は複雑である女性のライフコースをわかりやすく以下のように分類して、希望するライフコースの変化などを見ていくこととしたい。

・専業主婦コース= 結婚し子どもを持ち、結婚あるいは出産の機会に退職し、その後は仕事を持たない

・再就職コース = 結婚し子どもを持つが、結婚あるいは出産の機会にいったん退職し、子育て後に再び仕事を持つ

・両立コース  = 結婚し子どもを持つが、仕事も一生続ける

・DINKS(Double Income No Kids)コース= 結婚するが子どもは持たず、仕事を一生続ける

・非婚就業コース=結婚せず、仕事を一生続ける

まず、女性が理想とするライフコースを見てみると、1990 年代に専業主婦コースが減って、両立コースが増えたが、その後は大きな変化はない。

一方、女性が実際になりそうだと考えるライフコース(予定ライフコース)では、専業主婦コースが2010(平成22)年調査時点まで減少し続けており、これに代わって両立コースや非婚就業コースが増加し続けている。

特に2000(平成12)年に入って以降、世帯収入の減少に伴う共働き世帯の増加や育児休業制度をはじめとした仕事と家庭の両立のための環境整備が進んだことなどにより、両立コースの割合が高まっている可能性がある。

また、消極的な選択の結果として非婚就業コースを選択する人が増加している背景としては、晩婚化など様々な理由が想定されるが、少子化に与える影響という点で憂慮すべき傾向があると言えよう。

次に、男性の視点に立って見てみると、男性がパートナーとなる女性に期待するライフコースでも、女性の予定ライフコースと同様に専業主婦コースが減少し、両立コースが増加する傾向が続いている。

専業主婦を期待する人が1割に減少する一方で、両立コースを期待する人は2000年前後に専業主婦コースを上回り、2010年調査時点では3割を超えている。

男性の意識としても、結婚相手には働いて欲しいという意識が高まっているのである。

【結婚に必要な条件 ~経済力と家事・育児能力~】

次に結婚相手に望む条件について見てみる。

結婚相手に望む条件として、「家事・育児の能力」は約10年前の1997(平成9)年と比べて「重視する」割合が顕著に増加している。

女性では「経済力」「職業」を考慮・重視する割合が高く、特に2010年で前回調査よりも増加している。

また、男性においても、結婚相手の「経済力」や「職業」を考慮する割合が増加している。

男性、女性ともに、女性は結婚して子どもを持ち、仕事も続けるというライフコースを志向する傾向を反映しているものとなっている。

平成25年 厚生労働白書  結婚に関する意識 (1)

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