商品を欲しがっている顧客を見つける

「自社」の信頼性を表現する言葉を見つける

(上記の記事から続きます。)

ここまで考えれば、もう買ってくれるのかと思うでしょうが、さらに、深く掘り下げて考え、今まで気づかなかった発見をしていくことで、販売に必要な更なる情報が引き出せます。

そこで必要なのが、次の【質問4】です。

【質問4】
いったい、お客は、どんな場面で、
怒鳴りたくなるほどの怒りを感じているか?
どんなことに、夜も眠れないほどの悩み・不安を感じているか?
どんなことに、自分を抑えきれないほどの欲求を持つか?
その「怒り・悩み・不安・欲求」をお客が感じる場面を、
「五感」を使って描写すると?

顧客の痛みは、自分の痛みであることを深く感じ、ハートとハートで繋がるレベルになると言ってもいいでしょう。

顧客がひとりで深く思いわずらっていることはないでしょうか?

たとえば、リンゴの例であれば、

「食に対して不安がある。農薬、除草剤、遺伝子組換え・・・、花粉症やアトピーが増えているのも心配だけれども、それ以上に心配なのは『食は記憶をつくる』ってことだ。

私にとってリンゴの記憶は、田舎から送られてくる、今は懐かしい、葉付きのリンゴだった。リンゴの木には鳥が集まったらしいが、母がリンゴの皮をむくと、兄弟みんなが鳥のように集まったっけな。

安らかで、温かい家族団らんの記憶だけれども、自分の子供たちは、今、いったいどんな記憶を刻んでいるのだろうか?」

このように、顧客の内面を深く想像することで「この会社は、どうして私をここまで分かってくれるのだろうか」と、感心されることになります。商品だけを販売し、ビジネスとして関わってくる会社とは大きく差別化されるのです。

「ちょっと待ってください。これは、リンゴを売ることとは、何の関係もないですよ。それを表現したって誰も、リンゴなんかの話に、そこまで耳を傾けるはずがないでしょう?葉っぱ付きだろうが、そうでなかろうが、家族団らんの記憶になろうが、なるまいが、そんなことで売上は変わらないでしょう!」

あなたは、そう言うかもしれませんね。しかし、

ほら・・・文章を読んでいるうちに、あなたも、昔に味わった食の記憶と、家族の記憶を思い出しているはずです。そして、人の痛みを理解し始めると、それが自分の痛みに変わり、自分が持っている商品(リソース)を通じて、何か出来ることはないかと探し始めます。

その結果、不思議なことに、リンゴが売れるかどうかは、だんだん、どうでもよくなってきて、ある人は、こう考え始めるかもしれません。

「そうだ、家族の記憶をつくるリンゴを提供するという気持ちで、リンゴを売ったら、どうなるんだろう?」

「生産者である自分の家族を愛するから、そして顧客とその家族を愛するから、農薬やワックスを出来るだけ少なくし、自然のままでお届けできないだろうか。利益を上げる商品としてのリンゴではなく、家族に食べさせたいリンゴをつくる。そうだ!リンゴを通じて、愛にあふれる家族の記憶をつくりだす、・・・・それが自分の、真の仕事じゃないだろうか!」

このように顧客の内面を深く想像することで、自分の内面にも深く入り始め、自分にしか出来ないことが浮かび上がるのです。

「『愛にあふれる家族に、真の安心と健康を届けるリンゴづくり』が、私のライフワークです。」

このように心から表明できたとき、どれほどの人が、このリンゴを食べてみたいと考えるでしょうか?

他社は、リンゴという、顧客の生活のほんの一部にしか入り込めない商品を販売しているのですが、あなたの会社は、顧客と共に、家族の記憶をつくるという事業に取り組み始めます。

その結果、一度、購買して満足した顧客は、単に一過性のお付き合いではなく、生涯わたってあなたの会社と付き合うようになるのです。