2つの山の法則

価格競争で一時的に、勝者となる場合もあります。しかし、低価格により利益が薄い中で会社を成長させ続けることは、天才経営者でもいない限りとても困難です。

そこで価格競争が始まった途端に、【稼ぐ人】は、価格競争をする必要のない分野を新たに見出すよう努力し始めます。実は、競争が激化する成長期の後半は、市場が拡大していて、多様な顧客ニーズが生じていますから、自社の強みが求められる隙間(ニッチ)市場を簡単に見つけられます。

そこで【稼ぐ人】は、「市場に2つの山がないか」と観察します。
山とは、もちろん顧客ターゲット層のことです。2つの顧客ターゲット層が視野に入ったとき、あなたのビジネスには、想像を超える広大な裾野があったことに気づくことになります。




たとえば、住宅販売の場合、ターゲット客は、30代後半~40代前半、初めて住宅を買う団塊ジュニア層であると、多くの営業マンは答えます。しかし、良く目を凝らしてデータを見ると、定年退職した60代が住宅展示場に足を運んでいます。

孫たちと近くに住む為に、土地ごと2区画分取得して、2世帯ごと引っ越すというニーズが生じてきたからです。このニーズを捉えることができた会社は、「売る努力は同じでも、売上は2倍」という新しいビジネスモデルの突破口を開くことになります。

飲食業界にも、新しい山が現れました。今まで日本人相手だったのに、東京オリンピックに向けて、一気に観光客が増えました。日本滞在中に彼らをファンにできれば、観光客が帰っていく全ての国が、自社の海外展開の、次なる有望市場になっていきます。

もうひとつ例を挙げれば、美容室。最近では、学習塾の近くに美容室を開店するところも出てきました。理由は、子育て世代のお母さんが、近くに子供を預けながら美容室に行ける時間を確保できるからです。「母」と「子供」の2つの山の裾野を押さえると、事業の寿命は一気に伸びます。

【貧す人】は、ひとつしか、顧客ターゲット層を挙げられません。その山は成熟期になると消えていってしまいます。一方、【稼ぐ人】は、顧客リストという光景の中に、「新しい山は、ないか?」と常に問いかけています。そして、その山を見つけた途端、今までの顧客に提供してきた価値を、新しい顧客に提供することに夢中になるのです。


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