特養の入居条件を2015年度から「要介護3」以上に限定

在宅介護
厚生労働省は9月14日、特別養護老人ホーム(特養)の入居条件を2015年度から厳しくする方針を固めました。




新たに入居できる高齢者を、5段階の要介護区分のうち中度の「要介護3」以上に限定する方向で検討を進めます。

9月18日に開催する社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会に提案し、年内の正式決定を目指します。

厚生労働省は入居条件を見直すことで、膨らみ続ける介護費用を抑制するとともに、「施設介護から在宅介護へ」の流れを加速させたい考えです。

自治体や社会福祉法人などが運営している特養は、2012年10月時点で全国に7552カ所あり、利用者は約49万9000人。

このうち約1割が要介護3より症状が軽い要介護1、2の高齢者です。

現在の在宅介護には、介護の担い手となる家族の人数が、昔と違って圧倒的に少ないところに問題があります。

地方で暮らしていた高齢の親が二人とも介護が必要になったが、近隣の介護施設が満杯で入所できないため、やむなく子供が東京の会社を退職し在宅介護に専念せざるを得なくなった・・・といった話などは、その典型例です。

同じように高齢となった夫や妻ただ一人、あるいは子供一人だけで介護を行おうとするのは、介護者の時間とエネルギーを「介護」というただ一つの目的に全て注ぎ込み、「介護者の自立」を「要介護者の人生」と交換するようなものかもしれません。

薬代や病院との往復にかかるタクシー代、週に3回のデイサービス施設の利用費など、1か月に4万円前後かかる費用は、貯金を取り崩してまかなっているという高齢者の声もあります。

介護が必要になってしまった当の本人はというと、自身の自立した生活が失われたことに大きなショックを受け、喪失感と将来への不安とで頭がいっぱいになり、介護者へ感謝の意を示す気持ちの余裕などとても持てないことが多いものです。

介護をきっかけに本人がうつ状態になってしまい、周囲のことや新しいことにまったく関心を示さなくなるケースなども少なくありません。

在宅介護を行う介護者は、介護生活に自分の人生を注ぎ込みながらも、終わりの見えない、そして非常に達成感を得にくいのが現実です。

そして一歩間違えると、介護者自身が体調を大きく崩したり、あるいは精神に変調をきたしかねない危険性がつねに横たわっています。

「施設介護から在宅介護へ」の流れを加速させたい厚生労働省は、介護者の苦悩よりも、膨らみ続ける介護費用を抑えることに重点を置いているようです。


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