急速な人口減少でも定住を前提とした移民による労働力確保には慎重

総務省
総務省が4月15日に発表した日本の総人口は、生産年齢人口(15~64歳)が8000万人を下回り、1980年代初頭の水準に落ち込むなど労働人口の急速な減少に歯止めがかからない状況が明らかになりました。




政府は、労働力確保策として女性や外国人の活用を目指していますが、慎重論もあって、少子高齢化社会を支える対策を打ち出せるかどうかは不透明です。

労働人口の減少や労働力不足は、政府が進める成長戦略にも大きな足かせとなりかねません。

総人口と増減数の推移

安倍首相は、今年1月24日の施政方針演説で、女性が活躍できる社会を「成長戦略の中核」と位置づけました。

菅官房長官は4月15日の記者会見で、「子育て支援策の充実や女性が活躍できる基盤整備の中で、女性の輝く社会の構築が急務だ」と述べました。

政府は、2020年までに企業や官公庁で女性幹部の割合を30%にする目標を掲げ、経済界にも「上場企業は女性役員を少なくとも1人登用する」ことを要請しています。

男性中心だった労働力を、女性の社会進出を促進することによって拡大する狙いがあります。

ただ、労働力不足は既に深刻な状況で、政府は当面の対策として外国人の活用にも目を向けています。

東日本大震災からの復興や2020年東京五輪・パラリンピックの建築需要の拡大による人手不足に対応するため、政府は建設現場で働きながら技術や知識を習得する外国人技能実習生の在留期間延長や帰国後の再入国を2020年度まで時限的に認める緊急措置を決定しました。

4月4日の経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で首相は、介護や家事支援などの分野でも外国人を活用する制度の検討を指示しました。

ただ政府は、定住を前提とした「移民」による労働力確保には慎重です。

合同会議で民間議員から更なる外国人の受け入れを求める声も出ましたが、首相は、「移民政策と誤解されないように配慮しつつ、女性の活躍や中長期的な経済成長の観点から仕組みを考えてほしい」と述べました。

単純労働者の受け入れ拡大には、自民党内にも、日本人労働者の雇用が奪われ、治安や賃金水準が低下することなどを懸念する反対論が根強く、政府は慎重に検討する方針です。


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