フィッチがイタリアの格付け「BBBプラス」を引き下げ、見通しを「ネガティブ」とする可能性

イタリアのサッコマンニ経済・財務相
格付け会社フィッチ・レーティングスは9月30日、イタリアの格付け「BBBプラス」を引き下げ、見通しを「ネガティブ」とする可能性を示しました。




国内政局に端を発する経済、財政政策をめぐる不透明感が晴れないなどして、格下げにつながる恐れがあるとしました。

国内総生産(GDP)に対する公的債務比率低下への信頼感も下がり、予算均衡を実現できない事態も加わって、信用度評価の見直しにつながる恐れがあるとしました。

フィッチ・レーティングス社は声明で「イタリアの連立政権崩壊の可能性で、短─中期の財政政策達成が危うくなり、2014年予算がまとめられる重要な時期に不透明感が生じている」と指摘しました。

イタリアのサッコマンニ経済・財務相は、政治危機の結果として重要な財政赤字目標を達成できない恐れがあるにもかかわらず、同国の公的会計には秩序があると述べ、週明け9月30日の市場の取引開始に先立ち投資家懸念の緩和に努めました。

イタリアの中道右派政党・自由国民(PDL)に所属する閣僚が辞任を表明し、政権が混乱に陥った翌日、サッコマンニ財務相は9月29日付のイタリア経済紙「イル・ソーレ・24オーレ」のインタビューで、財政赤字を国内総生産(GDP)比3%未満に抑えるという欧州連合(EU)との公約を果たすために必要な財政措置の承認には、年末まで猶予があると指摘しました。

「(2014年)予算法は強制的なものだ」とし、「それを避けることはできず、政府は実現するつもりだ。政治情勢の進展を見守るが、実現できない理由はない」と述べました。

 
3%の赤字目標達成に向けた約30億ユーロ(約4000億円)規模の予算措置は、9月27日の最終閣議で承認に至りませんでした。

 
サッコマンニ財務相は、「われわれはGDPの0.1%相当を是正しなければならないが、27日の閣議で出した決定ではそれが確認されており、承認する猶予はまだ年末まである」と発言しています。

 
また、「連立政権を構成する中道右派政党・自由国民(PDL)と中道左派・民主党の対立を受け、ここ数週間は市場の不安定性が高まっているが、各市場はおそらく公的会計の正常化に向けた努力を織り込んでいるだろう」、「われわれの努力のおかげで、イタリアの公的会計には秩序がある」と話しました。

 
サッコマンニ財務相はさらに、イタリアの企業景況感指数が9月に2012年8月以来の高水準へ達した点を指摘しました。

 
しかし、好調が続いていたイタリア国債入札は9月27日、つまずきに直面しました。

 
イタリア政府は5年物(18年12月償還)と10年物(24年3月償還)の固定利付債(BTP)入札で、目標上限の60億ユーロを調達しました。

5年債の落札利回りは3.38%で、前回8月末の入札と変わりませんでした。

10年債の落札利回りは、前月の4.46%から4.50%に上昇しました。

しかし、これに先立ち先週実施された2度の入札では、利回りが低下していました。

 
そして国際通貨基金(IMF)は9月27日、年末に見込まれる緩やかな景気回復は政情不安によって危険にさらされる恐れがあるとし、税制や労働市場にさらなる改革を施さない限り、イタリアは低成長から抜け出せないだろうと強調しました。

 
イタリアの付加価値税(VAT)の税率は10月より、21%から22%に引き上げられる予定です。


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