ヒューリスティックやバイアスによる悪影響の回避

意思決定

薬にも副作用があるように、意思決定のための経験則もメリットばかりではありません。

本人は自覚しにくい(自動的に経験則に従い、知覚するための労力を費やしていない)のですが、デメリットの存在を知れば対処できたようなものです。

ヒューリスティックやバイアスについて理解しているアナタが大切な意思決定をしようとするときには、「その判断にはヒューリスティックやバイアスの影響はないだろうか?あるとすれば、もう少し慎重に考えるべきだろうか?」と自問してください。

また、より客観的な判断に繋がるもうひとつの方法は、目の前の大切な課題や問題を「誰か他の人」の課題や問題として検証することです。

というのも、無意識に経験則に頼ってしまうのは、自己防衛と労力の抑制のためなので、他人のための意思決定だと思って見直せば、意識が変わります。

自己判断のときの覚醒や情動も小さくなります。

実際に自分のための意思決定と、友人や見知らぬ人のための意思決定では、違いがあることが確認されています。

誰の周りにも忠告してくれる人はいるものです。

たとえば友人が、どうしようもない相手と付き合っていれば、すぐに別れるように助言します。

簡単な判断です。

ところが自分自身が当事者になると、選択が極めて難しくなります。

キャリアの選択でも、購入判断でも、日々の雑事でも、他人のための判断は難なくできるのに、自分のことになるとそうはいきません。

そこでヒューリスティックやバイアス、外部要因に左右される複雑な意思決定をうまく乗り切るには、最大限客観視するのがいいです。

ちょっとした心の持ち方ですが、それで的確な判断ができるのなら素晴らしいのでは?




一方、マーケティング担当者の立場からすれば、自分たちの戦略によって消費者がヒューリスティックやバイアスの影響を受けるかどうかは、理解しておいたほうがいいです。

たとえば豪華なフラットスクリーンテレビのような高額商品の購入を検討している顧客に、「○○したほうがよい」とか「おそらく○○をお望み」という説明をするのと、「ほとんどのお客様には○○をお勧めしている」とか「このテレビをお買い求めのお客様は、おそらく○○をお望みです」という言い方をするのとでは違いが生まれます。

自分自身の判断、リスク、利益ではなく、商品、リスク、利益全般を意識するようになります。

もちろん個別の対応策もあります。

たとえば顧客が市場での自分の立場を分かるようにすれば、「平均的な消費者」に比べてどれくらい知識があるのか、あるいはないのかが理解しやすくなります。

クルマの購入時などは「平均以上効果」が起こりやすく、顧客は、自分には普通以上の知識があると信じています。

そこで経験豊富な販売員は、平均的にクルマの購入には8ヶ月程度の時間をかけ、5回程度販売店を訪れるものだとさりげなく伝えます。

すると顧客は自身満々な態度を一転させ、素直に説明を聞いてくるかもしれません。

どんなに思慮深く合理的な判断をしようと思っても、私たちの脳は出来るだけ考え込まず、経験則を活かして日々の負荷を減らそうとします。

その機能が大いに役立ち、労せずして成果に繋がることも多いです。

しかしプラス効果ばかりではなく、少し慎重に考えれば、より良い結果に繋がる場合もあります。

消費者行動には、食事のためのレストラン選び、映画だけでなく、投票行動をはじめとする多様な選択が含まれています。

犯罪に加わるかどうか、リスクのある行動をするかどうか、違法な物を使用するかどうか、そもそも選択するかどうか、これら全てが消費者行動です。

どのような選択をしようと、どのような判断をしようと、どのような状況であろうと、行動の結果に強い影響を受けるからです。

あなたがこれまでどおり賢明な選択を続け、応用して更に的確な選択が出来ることを願っています。


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