量的緩和の出口戦略なしではインフレは2%に達した後に急加速する可能性あり

円の暴落
長期金利を動かすのは、国の財政赤字の大きさです。

麻生太郎財務大臣や甘利明経済再生担当大臣は、この問題に関して楽観的な印象を受けます。

1997年頃の国の借金は369兆円でしたが、今では1011兆円にまで膨れ上がっています。




では、返すべき国の体力はどのように変化したのでしょうか。

借金が3倍に膨れても、体力が3倍なら問題はないかもしれません。

ところが、国の体力を示す名目GDPは1997年に523兆円あったのですが、今や480兆円に減っています。

2013年度予算の歳出は93兆円に対し、税収やその他の歳入は47兆円止まりです。

残りの半分を賄うために国債に依存してきましたが、その結果として膨れ上がった借金をどうやって返済していくのでしょうか。

世界で一番高いとされる法人実効税率40.6%を倍増させますと81.2%になります。

非現実的な数字ですが、それでも増える歳入は約9兆円しかありません。

所得税を倍増したとしても、14兆円分しか歳入が増えません。

消費税が5%で10.5兆円の税収ですので、倍増して10%にしても約10兆円しか増えません。

毎年10兆円返しても100年かかります。

ただ、そのためには現状の歳出47兆円を36兆円にまで抑えなければなりません。

それは無理でしょう。

つまり、このままでは200年たっても300年たっても返せるわけがないのです。

今は実質ゼロ金利だからまだいいですが、問題は、金利が上昇した時のリスクです。

20年や30年という超長期国債も出ているため、いきなり明日から支払い金利が上がるわけではありませんが、満期が来た国債から上げっていきます。

1%上がれば、いずれは年間10兆円の負担増になります。

1980年は政策金利が12.75%、長期は9%でした。

今のゼロ金利が異常と考えるべきです。

金利が上がれば好況になっても税収も上がるとおもわれるかもしれません。

しかし、狂乱経済とも言われたバブル期の1990年ですら、税収は60.1兆円に過ぎませんでした。

そのことを考えれば、好況が再び訪れても財政赤字を埋めることができないことが分かるでしょう。

では、返す方法はないのでしょうか。

唯一の方法はインフレです。

アベノミクスは、まさにインフレ政策に舵を切っています。

2%のターゲットを考えていますが、出口戦略がない以上、インフレは2%に達した後に急加速するでしょう。

日銀前総裁の白川方明氏は量的緩和に慎重でした。

量的緩和は、乱暴に言えば誰にでも考えられる簡単な手法です。

市中にカネをばらまくだけなのですから。

インフレが始まったら完全に止める手がありません。

つまり、ブレーキのないクルマを運転しているようなものです。

そのクルマに今、日本は乗っています。

金利を上げたいとなれば、国債の値段を下げる必要があります。

ただ、明日には値段が下がるような国債を金融機関が買うわけがありません。

「満期まで待つ」と黒田東彦・現日銀総裁は言いますが、10年の長期国債を大量購入している現在、満期は遥か先です。

となると、ハイパーインフレの可能性があります。

そうなれば円の暴落は決して絵空事とは言えなくなります。

戦時ではなく、平時に市中をお金でジャブジャブにするのは日銀が初めてです。

ブレーキの利かないクルマに乗った今、リスク回避の保険の意味も含めて、ドル資産を購入するのもよいでしょう。


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